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夢幻水滸伝

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第二百八十三話 財団を立ち上げてその三

「いや、まさかです」
「星の方がここで来られるとは」
「夢にも思いませんでしたが」
「お陰で助かりました」
「まことに」
「全くです」
 ここで占い師の言ったままの山羊人の老人白衣を着た彼が来てだった。ジェーンに対して言ってきた。
「あの、宜しければ」
「何でしょうか」
「これからもこの病院で」
「働いて欲しいのですか」
「私は院長ですが」
 この病院のというのだ。
「よかったらその上にです」
「院長さんのですか」
「その地位に就かれてです」
 そうなってというのだ。
「私達を導いてくれませんか」
「この病院の皆さんをですか」
「いえこのプロビデンスのです」
「この街のですか」
「医療を」
「この街の医療問題があるんですか」
「病院や薬局単位で活動しているのですが」
 院長は暗い顔で答えた。
「それぞれが競争し合いかつです」
「協力し合うことがなく」
「非常に効率が悪い状況で」 
「わかりました」
 ここまで聞いてだ、ジェーンも察して言った。
「それで患者さん達がですね」
「先程の事故のことでも」
「何かありましたか」
「はい、実は怪我人の方々の受け入れを巡って」
 それでとだ、院長はジェーンに話した。
「他の病院と悶着があり当院がです」
「受け持つことになって」
「それで受け入れさせてもらいましたが」
「それまでですか」
「その病院と言い合いになりました」
「あの、急患の場合は」
 そうした者を受け入れる場合はとだ、ジェーンは院長に暗い顔になって応えた。
「それでは」
「助かる命もですね」
「助からへん様になりますが」
「それは私共もわかっているので」
「そやからですか」
「どうにかしたいと思っていましたが」
 プロビデンスの様々な医療施設が互いにいがみ合う様な状況をというのだ。
「残念ですが私共ではです」
「それが出来るまでのですか」
「力がなく」
 それでというのだ。
「困っていましたが」
「ここで僕ちんが出て来たので」
「まさに希望がです」
 院長はジェーンをじっと見て話した。
「来てくれたとです」
「思われてますか」
「はい、それでなのですが」
「僕ちんにですか」
「まずはこの病院においてです」
「院長さんの上の地位に就いて」
「お導き下さい」
 願いを強い声で述べた。
「どうか」
「そうですか、星の人である僕ちんに」
「そのステータスと特技ならです」
 即ち能力ならというのだ。 
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