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夢幻水滸伝

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第二百八十二話 穏やかなビショップその二

「そうなんか」
「左様です」
「それで我々もです」
「ヴォネガット様のご命令でここにいます」
「メルヴィル様をお迎えに来ました」
「そうなんやな、ほなな」
 メルヴィルも応えて述べた。
「今から案内してもらうか」
「それではです」
「この下に降りてくれますか」
「そちらにヴォネガット様がおられますので」
「そうして頂きますか」
「何や、オーガスタにおらんのか」
 州都のその街にとだ、メルヴィルは彼等の言葉を聞いて驚いて述べた。
「てっきりな」
「そちらにですね」
「おられると思っておられますか」
「そうでしたか」
「それが違うんやな」
 メルヴィルは考える顔で言葉を返した。
「それが」
「左様です」
「こちらに来られました」
「メルヴィル様とお話される為に」
「その為に来られました」
「そうなんやな、ほんまに話すつもりなんやな」
 メルヴィルは話を聞いてこのことがわかった、それで話してくれた空にいる者達に対してこう答えた。
「わかった、ほなこれから降りてな」
「そうしてですね」
「ヴォネガット様とお話をされますね」
「そうされますね」
「そうさせてもらうわ」
 是非にと答えてだった。
 ヴォネガットは実際にグリフォンを降下させてだった。
 地上に降り立った、すると目の前にだった。
 ヴォネガットが供の者達を連れてそこにいた、そのうえで彼に対して恭しく一礼をしてから言ってきた。
「お待ちしていました」
「話は空で聞いたけどな」
「オーガスタでと思われてましたね」
「ああ、しかしな」
「はい、メルヴィルさんが来られると聞いて」
 それでと言うのだった。
「移動の術で、です」
「ここまで来てか」
「左様です」
「待ってくれてたんやな」
「そうでした、ほな今から」
「ああ、今からな」
 メルヴィルは笑顔で応えて述べた。
「話そうか」
「私達のこれからのことを」
「そうしよな」
「席も用意していますので」
 見ればテントがありだ、ヴォネガットはそれを見つつ話した。
「こちらで、です」
「話すんやな」
「そうしましょう」
「ほなな」
「こちらに」 
 笑顔で述べてだった。
 ヴォネガットはメルヴィルをテントの中に案内した、そこは下に絨毯が敷かれていてその上に二つの椅子とテーブルがあってだった。
 ふたりで向かい合って座って会談となった、ヴォネガットは会談がはじまるとすぐにメルヴィルに対して言った。
「私は争うつもりはありません」
「ないか」
「はい、戦をすることはです」
「ないか」
「考えていません、ですが」 
 それでもと言うのだった。
「若しですが」
「わしが攻めて来るならか」
「戦います」
 そうすると言うのだった。 
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