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夢幻水滸伝

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第二百八十二話 穏やかなビショップその一

               第二百八十二話  穏やかなビショップ
 メルヴィルはグリフォンに乗り自分達の拠点であるニューヨーク州からメーン州に向かった。その時にだった。
 自身が乗るグリフォンにだ、こう言われた。
「おそらくですがもうです」
「ああ、ヴォネガットの方もな」
 メルヴィルはグリフォンの言葉に応えた。
「わしが向かってきてることはな」
「ご承知かと」
「あいつもアホやないわ」
 メルヴィルはこう答えた。
「そやからな」
「もうですね」
「情報を集めててな」
 それでというのだ。
「こっちの動きはある程度でもや」
「把握してますね」
「現にや」 
 メルヴィルはさらに話した。
「ニューハンプシャーの上空に来たが」
「空でも地上でも視線を感じますね」
「そや、配置されてる軍からな」
 その彼等がというのだ。
「わし等の姿を確認してや」
「そうしてですね」
「ヴォネガットに報告してるわ」
「左様ですね」
「一応白旗を掲げてるが」
 そのうえで進んでいる、白旗が話し合いを求めているということの証であることはこの世界でも同じである。
「あいつが話し合う気がないならな」
「戦をお求めなら」
「もうな」 
 その場合はというのだ。
「そろそろや」
「攻撃を仕掛けてきますか」
「そうしてくるやろな」
「ではその時は」
「もうな」 
 それこそと言うのだった。
「やられたらやる」
「そうしますね」
「そうするのがや」
「ご主人様ですね」
「そしてアメリカや」
 自分達の国のやり方だというのだ。
「そやからな」
「ではその時は私も」
「頼むで」
「お任せ下さい」
 メルヴィルに確かな声で答えた。
「全力で、です」
「やってくれるな」
「そうさせて頂きます」
「頼むで、ほなな」
「これからですね」
「メーンに入るで」
 この州にというのだ。
「ええな」
「それでは」 
 グリフォンは主の言葉に頷いてだった。
 そのうえでメーン州上空に入らんとした、すると。
 前に翼人や天使、天狗といった飛ぶことが出来る種族や舞空の術が使える者達がニューハンプシャー州とメーン州の境の上空にいてだった。
 そこからメルヴィルにだ、声をかけてきた。
「メルヴィル様ですね」
「お話があるのですが」
「何や、戦をするつもりやないか」 
 メルヴィルは彼等の前で止まって応えた。
「そうなんか」
「はい、お話に来ました」
「ヴォネガット様の前に案内させて頂きたいですが」
「宜しいでしょうか」
「これより」
「ヴォネガットはわしとの話を望んでるか」
 メルヴィルは彼等の言葉を聞いてこう考えた。 
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