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夢幻水滸伝

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第二百八十一話 州の南北でその十三

「欧州やアラブ以外ではです」
「達成されてるな」
「そうですさかい」
「殆どの地域で餓えがなくなってる」
「このことは喜ぶべきことです」
「そうやな、誰もが腹一杯食えることはな」
 メルヴィルは真面目な顔で答えた。
「これ以上はないまでにや」
「有り難いことです」
「そやな、しかしな」
「肥満はです」
「食い過ぎてな」
「それに至ることはです」
 どうかとだ、ボームは話した。
「健康面から考えますと」
「餓えてるのと同じや」
「そうですさかい」
「今からやな」
「教育においてです」
「肥満の危険とそうならへん為の対策をな」
「教えていくべきです」
 ボームもこう言った。
「やはり」
「そうやな」
「今から進めていきましょう」
「アイスクリームは美味いが」 
 カロリーの高い食べものの代表と言っていい、実を言うとメルヴィルにしても大好物の一つである。
「しかしな」
「過ぎるとです」
「太るわ」
「そうですさかい」
「そうしたことをな」
「教育で教えていきましょう」
「是非な、それも政や」 
 メルヴィルは確かな声で述べた。
「そやからな」
「しっかりでとですね」
「ことを進めていこな」
「そうしてくで」
「何かと忙しいですね」
 ジェーンはシチューからポークチョップに移って言った。
「政は」
「そやな、やることが多いわ」
「ほんまにそうですね」
「戦にしてもな」 
 これもというのだ。
「そのうちの一つでな」
「それで、ですね」
「インフラも財政も貿易もでな」
「そして教育も」
「兎角や」
「やることが多いですね」
「この世界に来て実感したわ」 
 自分がそれに携わってというのだ。
「ほんまな」
「そうですね」
「しかしそれをや」 
 その政をというのだ。
「やってくで」
「それが勢力を持つということですね」
 ジェーンはしみじみとした口調で述べた。
「つまりは」
「そや、財団もそやったやろ」
「はい、一つのことが終われば」 
 そうなると、とだ。ジェーンはメルヴィルに答えた。
「もうすぐにです」
「次やることが待ってたな」
「それでやるしかなかったです」
「そういうものやな」
「それで、ですね」
「わし等はな」
「この世界を救う為に」
 まさにその為にとだ、ジェーンは考える顔で述べた。
「やってくことですね」
「そや、ほなな」
「メルヴィルさんはその為にもですね」
「食い終わったらな」
「すぐにですね」
「メーンに行くわ、若しあいつが攻撃してきても」 
 ヴォネガットがとだ、メルヴィルは笑って話した。
「わしはグリフォンに乗って行くしや」
「他の神具もお持ちで」
「充分迎え撃つことが出来る」
「それで撃退してですね」
「一旦退いてな」
「後で軍を率いて戦うこともですね」
「出来るからな」
 だからだというのだ。
「心配無用や」
「そういうことですね」
「そや、ほなな」
「食べ終わってからですね」
「言って来るわ」 
 こう言ってだった。
 メルヴィルはボームそれにジェーンとの食事を楽しみそれが終わるとすぐにグリフォンに乗ってメーン州に飛び立った、そしてまた一つのことを為すのだった。


第二百八十一話   完


                 2022・11・8 
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