夢幻水滸伝
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第二百八十一話 州の南北でその十二
「それで美味しいです」
「栄養もあるしな」
「この世界ではです」
ジェーンはここでこうも言った。
「肥満は」
「それな、食うのはええけどな」
「食べものがあるのはええことでも」
「カロリーの高いもんばっかり食うてな」
「それでそうなることは」
「今の状況やと安心でもな」
「どうしてもです」
起きた世界のことを考えて言うのだった。
「気になります」
「アメリカ人やとな」
「そうですね」
「そこはちゃんとな」
「政策としてですか」
「教育でや」
こちらの政策の中でというのだ。
「ちゃんとな」
「栄養バランスを考えて食べることをですね」
「教えていってな」
その様にしてというのだ。
「過度にや」
「カロリーを摂取させないことですね」
「そや、よおさん食ってもや」
例えそうしてもというのだ。
「摂取カロリーと運動量を考えてくとな」
「肥満しませんね」
「起きた世界の我が国はな」
どうしてもとだ、メルヴィルはシチューを食べながら話した。シチューは野菜メインでもその野菜たちが絶妙な味を出していた。
「ほんまにな」
「そうした考えがですね」
「あまり伝わってへんでな」
「とりあえず食べられるとええですね」
「そうした考えでな」
それでというのだ。
「極端にカロリーの高いもんばかりや」
「誰もが食べて」
「ようさんの人がな」
それこそと言うのだった。
「肥満してるわ」
「そうした状況ですね」
「ほんまにお腹の脂肪が膝まで垂れ下がってる」
「首がなくなるまでの」
「極端にや」
そこまで言っていいまでにというのだ。
「太ってる」
「そうですね」
「その状況はな」
ジェーンにさらに話した。
「最初からな」
「ならん様にですね」
「したいな」
「そうですね」
「誰もが餓えん様にしても」
「今のアメリカは幸いそうですが」
「産業革命を果たしていますと」
ボームもシチューを食べつつ話した。
「同時に農業革命も達成されていまして」
「農業生産が飛躍的によおなってな」
「それで食事もです」
「よおなってな」
「餓えから解放されます」
「そういうことやな」
「それはこの世界では世界の殆どの地域でして」
産業革命ひいては農業革命が達成されていてというのだ、ボームはメルヴィルに理知的な声で話していった。
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