| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百八十一話 州の南北でその八

「あちらとの境にや」
「軍を置いて守りを固め」
「隙を見せへん様にしてな」
 そうしてというのだ。
「攻められんことや」
「そうすることが第一ですね」
「今はな」
 まさにというのだ。
「そうしてくれるか」
「そうですね、では」
「そうしてもらうで、しかしな」
 メルヴィルはこうも言った、少し嘆息を入れたうえで。
「他の星のモンも勢力を拡大してきてるな」
「そうですね、それはです」
「自分等がそうしてるとな」
「他の人もです」
「やるな」
「はい、人の行動は似ます」
 ボームはこの摂理を話した。
「千差万別といってもです」
「その思考はな」
「脳の発達が同じなので」
 それ故にというのだ。
「この世界でもそれはです」
「同じやな」
「例えばジェーンさんは狸人ですね」
 他ならぬ彼女を見つつ話した。
「即ち狸から進化してです」
「人になってるな」
「人間そしてメルヴィルさんのこの世界の種族であるエルフやドワーフは猿から進化し」
 そうしてというのだ。
「ワテクシの種族サイクロプスは猿から進化し」
「その進化の過程で単眼になったな」
「そうです、ですがはじまりの生きものは違っても」
 狸でも猿でもというのだ。
「進化の過程は同じなので」
「知能レベルも同じでな」
「そして思考もです」
 これもというのだ。
「結局のところです」
「同じやな」
「そうです、確かに身体の構造は多少違いますが」
「それでもやな」
「おおむね同じでありますね」
「この世界ではそやな」
「それは進化の過程が同じなので」
 人に至るそれがというのだ。
「はじめはどうであってもです」
「過程が同じやとやな」
「身体の構造もです」
 これもというのだ。
「必然的にです」
「同じになるな」
「左様です」
「成程な」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「思考も同じなので」
「この世界でも自分が考えてることはやな」
「相手も考えているとです」
「思うことやな」
「星の人達の間だけでなく」
「元からおる人もやな」
「そうです、確かにワテクシ達星の者はレベルが高いです」
 それぞれの職業のそれがというのだ。
「それに伴いステータスやスキルも高いですが」
「人であることは同じやな」
「例え強さが神霊の域に達していても」
 そうなっていてもというのだ。
「やはり人と神霊はです」
「ちゃうな」
「人は死にますが神は不滅です」
 ボームは言い切った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧