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夢幻水滸伝

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第二百八十一話 州の南北でその七

「そやけどです」
「最低限でええわ」
「そうですよね」
「わしもそうした考えや」
 メルヴィルはジェーンに確かな声で述べた。
「戦は避けられへんにしても」
「それでもですね」
「そや」
 まさにと言うのだった。
「どうしてもせなあかん」
「そうした戦にしますね」
「避けられる戦はな」
「避けますね」
「そうしていってな」 
 そのうえでというのだ。
「戦ってな」
「勝ちますね」
「戦をするからにはな」
「絶対に勝つ」
「そうするんや」
「最低限の犠牲で」
「そうする、それでヴォネガットはな」 
 あらためて彼のことを話した。
「戦は好きやないな」
「統治も穏健とのことで」
「出来たら話でな」
 それで以てというのだ。
「やっていきたい」
「そうお考えですね」
「覇道を以てことを進めても」
 戦を躊躇しないがというのだ。
「しかしや」
「戦は出来るだけ避ける」
「そうしてな」
「ことを進めるのですね」
「そや、ほなな」
「これよりですね」
「ヴォネガットと対するで」
 強い声で言い切った。
「これから」
「わかりました」
「さて、一つ問題があります」 
 二人のやり取りが一段落したところでだった、ボームが言ってきた。空気を読んでそうなることを待っていたのだ。
「ワテクシ達の中では」
「ああ、誰がヴォネガットに向かうかやな」
「そのことですが」
「それはもうな」
「はい、メルヴィル君がですね」
「行くわ」
 そうすると言うのだった。
「メーンの方にな」
「そうされますね」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「若し戦になってもな」
「軍を率いて」
「戦う、それで自分は留守を守ってな」
 そうしてというのだ。
「内政にあたって」
「そうしてですね」
「ジェーンちゃんは予備でな」
「留守の軍を預かる」
「そうしてもらう、けど基本二人でな」
「政を行いますね」
「今はな、それでペンシルバニアへの戦略もや」
 ひいてはその州を治めるエミリーに対してというのだ。
「進めてもらうか」
「わかりました」
 ボームは確かな笑みで答えた。
「その様に」
「ペンシルバニアの周りの州にや」
「勢力を拡大する」
「出来たらな、しかしまずはな」
 ボームにさらに話した。 
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