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夢幻水滸伝

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第二百八十一話 州の南北でその五

「財団での活動をしていました」
「そやってんな」
「そっちは順調でしたが」
「それで話す機会が今になったか」
「そうですね」
「別に遅くはなかったな」 
 メルヴィルはジェーンに帆微笑んで話した。
「丁度ええ頃やったやろ」
「僕ちん達が会ったのは」
「そやろ、それでな」
「はい、これからですね」
「そや、どないするかや」
 こう言うのだった。
「お互いな」
「そのお話は座ってじっくりと」
「話すか」
「そうしましょう、今から」
「ほなお茶でも飲んで」
「レモンティーですね」
 ジェーンはお茶についても笑って話した。
「やっぱり」
「わし等の飲むのはな」
「アメリカでは」
「そやろ、それかコーヒーや」
「そうですね」
「ほなな」
「飲みながらお話しましょう」 
 こう話してだった。
 二人は向かい合って座りそのうえでレモンティーを飲みつつ話に入った、メルヴィルは話がはじまるとすぐにだった。
 ジェーンにだ、こう話した。
「単刀直入に言う、仲間になって欲しい」
「それで共にですね」
「この世界を救わんか」
「喜んで」
 ジェーンは笑顔で頷いて応えた。
「そうさせて頂きます」
「何や、即答やな」
「僕ちん野心あらへんですし」
 ジェーンは自分の返事に少し驚いたメルヴィルに話した。
「それにメルヴィルさん知ってますし」
「起きた世界での付き合いからか」
「一緒にいて問題はない」
「わしはそうしたモンか」
「ボームさんも」 
 メルヴィルと共にいる彼もというのだ。
「こっちの世界でもしっかりと治めてますね」
「勢力圏をか」
「そういうのも見ますと」
「わしの仲間になっても大丈夫か」
「財団は信頼出来る人達がいますから」
 今自分が運営している組織の話もした。
「任せて」
「自分はか」
「はい、もう少ししたらこっちから行くつもりでした」
「そうやったんか」
「そやからです」
 それでというのだ。
「これからは」
「わしと一緒にか」
「ことを進めていきたいです」
「そうか、わしは一戦交えてもと思ってたが」
「必要な戦はしますけど」
 それでもとだ、ジェーンは笑って応えた。
「そやけどです」
「無駄な戦はせんか」
「メルヴィルさんは信頼出来る人やさかい」
「戦うことはないか」
「これがゴロツキとか」
「ワルモンやとやな」
「絶対にです」
 それこそというのだ。
「僕ちんも従いません」
「戦ってるな」
「特にこの世界では」
 今度は強い声で言って来た。 
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