夢幻水滸伝
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第二百八十一話 州の南北でその四
「掌握を念頭に置いてたしな」
「それで、ですか」
「あの娘のことはほんまにや」
「今からですか」
「仲間にする為にな」
「ここまで来られて」
「詳しい情報収集もな」
これもというのだ。
「はじめるつもりや」
「そうですか」
「そや、それでな」
メルヴィルは市長にさらに話した。
「これからな」
「財団の方にですか」
「行って来るわ」
「そうされますか、では私からもです」
市長はメルヴィルの話を受けて笑顔で述べた。
「ジェーン様にです」
「連絡してくれるか」
「はい」
まさにというのだ。
「これよりメルヴィル様が来られると」
「事前に連絡がいってるとな」
「お話もスムーズに進みますね」
「ああ、いきなり行くよりな」
「ですから」
そうだからだというのだ。
「今から」
「悪いな、ほなな」
「連絡しますね」
「頼むな」
「それでは」
笑顔で話してだった。
市長は電話を入れた、するとだった。
市長は電話の後で今も自分の前にいるメルヴィルに笑顔で話した。
「お喜び下さい」
「まさかと思うが」
「そのまさかです」
牛の顔を綻ばせての言葉だった。
「ジェーン様ご自身がです」
「こっちにか」
「来られます」
「そうなんか」
「はい、それでは」
「ああ、こっちも会う用意するわ」
メルヴィルも答えてだった。
ジェーンを待った、するとすぐにだった。
彼女自身が来た、ジェーンはメルヴィルを見ると笑顔で挨拶をしてきた。
「こっちの世界でははじめまして」
「そやな、元気そうやな」
「この通り、暫くお声がかかるの待ってました」
ジェーンは笑顔のままこうも言った。
「メルヴィルさんがこのロードアイランド州にも勢力を拡大させて」
「掌握したな」
「あっという間に」
それも一戦もせずにだ。
「そうされたのを見てです」
「ああ、自分もって思ってな」
「そうでした」
「正直州を掌握してたらな」
ジェーンがそうしていたらとだ、メルヴィルは彼女に話した、
「直接話をしてたが」
「実は州の統治も考えましたけど」
「せんかったな」
「財団立ち上げまして」
「その活動をしてか」
「その方がええやろとも思いまして」
それでとだ、ジェーンは話した。
「そやからです」
「統治はせんでか」
「はい、それで」
そのうえでというのだ。
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