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夢幻水滸伝

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第二百八十話 マサチューセッツ州の伊達男その十四

「共に戦っていきましょう」
「わかりました」
「その様にしていきましょう」
「力を合わせて」
「そのうえで」
 ボームは将軍達に誓う様に言ってだった。
 実際に自ら兵を率いて神具それに術を使いそのうえで使者を送っても降らない街や村を攻めていってだった。
 勝って降していった、そして降った者達はだった。
「降ればそれでいいのです」
「えっ、処罰はなしですか」
「貴方に逆らったというのに」
「それでもですか」
「はい、敵味方に分かれることもあります」
 そのまま受け入れられ驚く彼等に述べた。
「そして勝敗は常です」
「戦のですか」
「敗れたといってもですか」
「降ればですか」
「それでいいのですか」
「はい、貴方達はこれからワテクシの勢力においてです」
 自分が治めるその中で、というのだ。
「前職のまま働いてもらいます」
「そうですか」
「そうしていいのですか」
「我々は罪に問われないのですか」
「何か罪を犯しましたか」
 ボームは彼等に逆に問い返した。
「一体」
「それを言われますと」
「ボーム様に逆らいました」
「そうしましたが」
「ワテクシに逆らうことは罪ではありません」
 ボームははっきりとした声で述べた。
「まだワテクシの勢力に入っていないのですから」
「そうですか」
「だからですか」
「我々は罪を犯していない」
「そうなのですね」
「無論戦なく降って欲しかったです」
 これがボームの願いだった。
「ですが戦になろうとも」
「罪を犯していない」
「法に触れていない」
「だからですか」
「はい、全くです」
 それこそというのだ。
「問題ありません、ではこれからは」
「わかりました、ボーム様の下においてです」
「働かせて頂きます」
「そうさせて頂きます」
「宜しくお願いします、全ては世界を救う為に」
 この世界をというのだ。
「皆さんの力も必要ですから」
「そこまで言われるなら」
「是非です」
「協力させて頂きます」
 戦った者達も感銘を受けてだった。
 ボームに従った、そしてだった。
 ボームは遂にマサチューセッツ州を統一した、彼と共に働いた者達はこのことに喜んだ。だがボーム自身はというと。
 祝賀のパーティーには出席して飲んで食べたがその翌日定時にはだった。
 出勤して政務にあたっていた、それでボストンの市長も驚いて彼に言った。
「あの、州を統一しまして」
「はい、お祝いをしましたね」
「それですぐにですか」
「確かにワテクシは州を統一しましたが」
 それは事実だが、というのだ。 
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