夢幻水滸伝
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第二百八十話 マサチューセッツ州の伊達男その四
「ワテクシと比べますと」
「天と地程の差がありますね」
「こう言っては何ですが」
「それがです」
まさにというのだ。
「何よりの証です」
「そうなのですね」
「はい」
市長ははっきりとした声で答えた。
「特技の質量といい」
「そちらもですか」
「幾ら素性がわからずとも」
一目見ただけではというのだ。
「その能力を見ればです」
「その人がわかりますか」
「そうした時もあり」
「星の人はですね」
「はい、あまりにも能力が高いので」
だからだというのだ。
「わかります」
「そうですか」
「それで、です」
さらにだ、市長は話した。
「貴方が星の方とです」
「おわかりになったのですね」
「実際にお会いして」
そうしてというのだ。
「そうなりました」
「そうなのですね」
「では」
市長はさらに話した。
「これよりです」
「はい、詳しいお話をですね」
「市長室でしたいのですが」
「わかりました」
ボームはポーズ、いつもの気障なそれをつけて応えた。
「それではこれから」
「お願いします」
こうしてだった。
ボームは市長自身に市長室に案内してもらいそこのソファーで向かい合って座ってそうして話をした。
そしてだ、市長は自ら申し出た。
「どうかこの州をです」
「平和にですか」
「はい」
こう言うのだった。
「お願いします」
「それが貴女の願いですね」
「ひいてはこの州の民そして」
「世界のですね」
「世界を襲う危機も心配ですが」
それと共にというのだ。
「それぞれの街や村に分かれていて」
「互いに争うこともあり」
「賊やモンスターも出ますので」
「治安は悪いですね」
「海から出て石から戻る前よりも」
それ以前の世界よりもというのだ。
「そうなっていますので」
「その状況をですね」
「何とかです」
「平和にですか」
「元の様に平和になって欲しいのです」
世界がというのだ。
「かつて統一されていた頃の様に」
「その頃は確か」
「はい、ある方が世界を統一され」
そうしてというのだ。
「それから長きに渡ってです」
「この世界を平和に治めていたそうですね」
「整った政の仕組みをもうけられ」
そうしてというのだ。
「確かな軍と警察にです」
「技術や文化もです」
「確立され経済もです」
こちらもというのだ。
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