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夢幻水滸伝

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第二百八十話 マサチューセッツ州の伊達男その五

「確かなものをです」
「築き上げたので」
「世界はです」
「平和にですね」
「長い間治まり」
 市長はさらに話した。
「豊かでもありました」
「そうでしたね。ですが」
「はい、今はです」
「それぞれの街や村に分かれていて」
「複雑で」
 そしてというのだ。
「衝突することもです」
「このマサチューセッツ州でもですね」
「あります」
 そうした状況だというのだ。
「残念なことに」
「だからですか」
「是非です」
 市長はボームに頼み込む様に話した。
「ここはです」
「まずはですね」
「マサチューセッツ州の統一をお願いします」
「そしてですね」
「そうです、州を平和に治めて欲しいです」
 こう言うのだった。
「どうか」
「そのつもりです」
 ボームは確かな声で答えた、今は意識して気障なポーズは取っていないが自然にそうなっていた。それもまた絵になっていた。
「ワテクシも星の人なので」
「そうしてくれますか」
「はい、ではまずはですね」
「このボストンで旗揚げして下さい、市長の座は」
「いえ」
 それを譲られるとわかってだ、ボームは先に言った。
「それはです」
「いいのですか」
「引き続きお願いします」
 市長の座はというのだ。
「ワテクシは旗揚げをしまして」
「そうしてですか」
「その棟梁になり」 
 その座に就いてというのだ。
「ボストンだけでなくです」
「勢力全体をですか」
「治めようとです」
 その様にというのだ。
「考えていますので」
「だからですか」
「はい」
 市長に微笑んで答えた。
「貴女は引き続きです」
「ボストンの施政をですね」
「お願いします」
 こう本人に告げた。
「そしてワテクシはです」
「勢力全体の統治をですね」
「行います」
 そうするというのだ。
「これからは」
「そうですか、では」
「今よりです」
「旗揚げですね」
「それを行います」
 こう言ってだった。
 ボームは即座に旗揚げを宣言した、そして自ら棟梁になったが即座にボストン周辺の幾つかの街や村が降ってきた。
 ボームは彼等を即座に受け入れ市長や町長それに村長と他の公務員達をそのままにしたがそれと共にだった。
 ハーバード大学を訪れてだ、そこの学長と話した。学長は犀人の男の老人でスーツを知的に着ていた。
 その彼にだ、ボームは挨拶の後で話した。
「どうかワテクシに協力して欲しいのですが」
「いや、それはです」
 学長はボームの言葉に驚いて言った。 
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