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夢幻水滸伝

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第二百八十話 マサチューセッツ州の伊達男その三

「ことはそう簡単にはいかないでしょう」
「そうでしょうか」
「何でもです」
 それこそと言うのだった。
「物事はです」
「簡単にはですか」
「いきません、何かを造るにしてもそうですね」
「まあ実験の道具も」
 マスターもそれはと答えた。
「やっぱり」
「そういうものですさかい」 
 だからだというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「焦らず慎重にかつ」
「かつ?」
「ダンディーに」
 ボームは気障なポーズで言った。
「ことを進めないといけません」
「ダンディーですか」
「はい、痩せ我慢でも何でもです」
 それこそというのだ。
「まずはです」
「ダンディーにですか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ことを進めないといけません」
「そうなのですか」
「物事は」
 こう言うのだった。
「ダンディーは大事ですか」
「身だしなみに気を付け」
 そうしてというのだ。
「かつボロボロでも苦境でもです」
「恰好をですね」
「つけるのです、笑われても」
 そうなってもというのだ。
「それは守ることです」
「ダンディーは大事ですか」
「ワテクシにとっては」
「そうですか」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「これからのことも」
「焦らず慎重に」
「かつダンディーに、では飲んで食べ終われば」
「そこからですか」
「ワテクシは動きます」
 気取った笑顔で言ってだった。
 ボームはコーヒーとパンケーキを口にした、そしてだった。
 勘定を払って店を出るとだった、その足でボストンの市庁舎に行った、そのうえで門番の兵達に自分のことを話してだった。
 市長との面会を求めた、すると。 
 光の精の中年女性の市長が来て言ってきた。
「まさかと思ったら」
「えっ、市長さん自らですか」
「星の方が来られたと聞けば」
 こうボームに話した。
「もうです」
「驚かれて」
「思わず来てしまいました」
 そうだったというのだ。
「そしてステータスを見ますと」
「おわかり頂けましたか」
「間違いありません」 
 確信しての言葉だった。
「これは」
「そこでわかりますか」
「はい、神霊に匹敵するステータス」
 これでというのだ。
「わからない筈がありません」
「そういえば他の人は」 
 ボームは市長それに門番の兵達のそれを確認して話した。 
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