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夢幻水滸伝

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第二百七十九話 二つの会談その五

「そのうえでな」
「さらにですね」
「メーンのな」
「あの州にはヴォネガット君がいますね」
「あいつもな」
「仲間にですね」
「したい」
 こう話した。
「是非な」
「左様ですか」
「そうして東部の諸州と星のモンを仲間にして」
 メルヴィルは焼いたピーマンを食べつつ話した。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「治めてな」
「さらなる勢力拡大ですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「そうしてくで」
「わかりました」
 確かな声でだ、ボームはメルヴィルに応えた。
「これからはです」
「二人でな」
「やってこうな、そしてな」
「そして?」
「これから仲間になるので」
 それでとだ、メルヴィルに笑顔で話した。
「握手をしませんか」
「そやな、仲間になるんやったらな」
「はい、そうしますか」
「ああ、ただな」
 メルヴィルも笑顔だった、それで応えた。
「今は飲んで食ってるからな」
「その後で、ですね」
「そや」
 そのうえでというのだ。
「そうするで」
「わかりました、では」
「まずは二人でや」
「飲んで食べますか」
「そうしよな」
「それでは」 
 ボームは笑顔で応えた、そうしてだった。
 二人で酒もバーベキューも楽しんだ、そしてそれが終わってから二人共手を洗って握手をした。こうしてだった。
 ボームはメルヴィルの仲間となった、二人はすぐにメルヴィルを棟梁として共に勢力圏を治めることになったが。
 カナダの星の者達を代表してだ、モンゴメリーがやって来た。
「あいつ自身がか」
「はい」 
 ニューヨークの市長はメルヴィルに答えた。
「来られました」
「そう来たか」
「返事は来ると思われてましたね」
 市長はメルヴィルに問うた。
「そちらは」
「ああ、けどな」
「それでもですか」
「星のモンしかもな」
「カナダの棟梁であられるですね」
「まだ南の方を治めてるだけやが」
 カナダのというのだ。
「しかしそう言ってええな」
「左様ですね」
「そのモンゴメリーがか」
「はい」
 それがというのだ。
「ご自身で来られて」
「そしてか」
「そのうえで、です」
「わし等と話をしたいとか」
「申し出ておられますが」
「不戦同盟の件でやな」
「間違いなく」
 市長は確かな声で答えた。
「そうでしょう」
「どっちにしろ断わるつもりはない」
 メルヴィルは市長に微笑んで答えた。 
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