夢幻水滸伝
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第二百七十八話 他州掌握へその三
「即座にです」
「噂が広まったか」
「メルヴィル様の」
「それでか」
「はい、メルヴィル様が声をかけられますと」
幸福を促す使者を送ると、というのだ。
「それにです」
「従うか」
「左様です」
そうだというのだ。
「ですからこの二つの州はです」
「もう大半がか」
「降りました、ではです」
「このままやな」
「二つの州を掌握されますか」
「そうするか、勢いに乗ることもや」
メルヴィルは自分の右手を自身の顎に当てた、そうして地図を見て述べた。
「大事やからな」
「だからですね」
「ああ、ここはな」
「ニュージャージー州とコネチカット州をですね」
「完全に掌握するわ」
「ではこれより」
「即座に二つの州の残りの街と村にや」
そちらにというのだ。
「使者を送るで」
「そうされますね」
「ああ、すぐにな」
「あの、それでなのですが」
今度はオークの官吏が言ってきた、その毛は黒い。
「三つのまだ使者を送っていない街や村から」
「そっちからか」
「是非メルヴィル様の勢力加わりたいとです」
「言ってきてるか」
「左様です」
そうだというのだ。
「そうした街や村はどうされますか」
「来る者は拒まずや」
笑顔でだ、メルヴィルはオークの官吏に答えた。
「そやからな」
「迎え入れますか」
「そうするわ」
「では」
「ああ、それで他の州でもな」
メルヴィルは話を続けた。
「勢力に入った街や村はな」
「ニューヨーク州の街や村と同じ様にですね」
「全くな」
何の違い、差別なくというのだ。
「そのうえでな」
「治められますね」
「それぞれの街や村に自治を任せてな」
その様にしてというのだ。
「そのうえでや」
「全体をですね」
「治める、行政単位の基本は州にしてな」
そうしてというのだ。
「統治してくで」
「わかりました」
「それではです」
「その様にしましょう」
「あと軍旗も統一して」
今度は旗の話もした。
「そして軍服もな」
「統一されますか」
「そちらも」
「ああ、ニューヨーク州は青やが」
軍服の色はというのだ。
「それを橙色にするか」
「メルヴィル様のお色ですね」
「それにされますか」
「軍服の色は」
「軍旗もな、神星のモンはそれぞれカラーがあって」
それが決まっていてというのだ。
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