夢幻水滸伝
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第二百七十七話 ニューヨーク州統一その三
「お互いに連絡を取り合える様にするで」
「離れていてもですね」
「士官だけでも持ってたらな」
指揮官である彼等がというのだ。
「全然ちゃうしな」
「だからですか」
「そっちもな」
「増やしてですか」
「そしてや」
「戦っていきますね」
「そうするで、ほな州の街や村にな」
ニューヨーク州の中のというのだ。
「使者をな」
「送りますね」
「そうするで、わしの名も出してな」
「星の方のですね」
「そうするで」
こう言って実際にだった。
メルヴィルはニューヨーク州の街や村に自分の名前を出して自身の勢力の中に入る様に勧めた。するとだった。
使者を送った全ての街や村が降った、メルヴィルはこの状況にいささか驚いてそのうえでニューヨーク市長に共に酒を飲みつつ話した。
「まさか使者を送った全部の街や村が降ってな」
「メルヴィル様の勢力に降るとはですか」
「思わんかったわ、どうしても幾つかはな」
「降らないとですね」
「思ってたわ」
バーで木製の二人用の席に向かい合って座ってバーボンをロックで飲みながら応えた、つまみはアーモンドやカシューナッツ、それに胡桃といったナッツ類である。
「それでまたや」
「使者をですか」
「送ってな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「それで、ですか」
「そこで降ったらよしで」
「それで駄目なら」
「戦で降すつもりやったが」
それでもと言うのだった。
「しかしな」
「それでもですか」
「全部とはな」
「私にしてみれば当然とです」
市長はウイスキーを水割りで飲みつつ応えた、つまみは彼も同じくナッツ類である。
「思いますが」
「そうなんか」
「はい、星の方しかもです」
さらにというのだ。
「神星の方なので」
「だからか」
「その方で尚且つこの街での行いは知られているので」
「それでか」
「はい、どの街や村もです」
それこそというのだ。
「使者が来ればそれをきっかけとしてです」
「わしに降るか」
「そうなります」
「そやねんな」
「非常にお強く」
そしてというのだ。
「善政を敷かれているので」
「それでか」
「しかも無体は一切されないですね」
「まあ人の道に反する様なことはな」
そうしたことはとだ、メルヴィルはバーボンを飲みつつ答えた。
「わしもせんわ」
「それがまたです」
「ええんかいな」
「力があれば暴虐に走る」
「そうした奴もおるな」
「そこで自制をされて」
そうしてというのだ。
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