夢幻水滸伝
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第二百七十六話 摩天楼掌握その十三
「数もな」
「増やしますね」
「そうするで、ニューヨークの人口は一千万や」
この世界でのこの街のそれはというのだ。
「それやろ三万か四万の兵をや」
「用意出来ますね」
「その三万か四万を訓練で鍛えて」
そうしてというのだ。
「装備もよおしてな」
「兵器もですね」
「擁してな」
「精強な軍にして」
「それを相手に見せてや」
「いざとなればですね」
「戦ってな」
その軍勢でというのだ。
「勝つで」
「そうしていくのですね」
「そや」
まさにという返事だった。
「勿論他の街や村を攻める時はわしがな」
「軍を率いられてですね」
「出陣して戦うで」
「神星の方が」
「そうしてくわ」
「メルヴィル様が軍を率いて戦われるならば」
星の者達の中でも特に力の強い神星そしてその中で特に武に秀でた六将星の一人である彼がというのだ。
「確実にです」
「勝てるか」
「そう思います」
「勝つ様にする」
これがメルヴィルの返事だった。
「それも圧勝や」
「戦いは、ですか」
「そや、戦はないに越したこととはない」
それはというのだ。
「やっぱりな」
「あの、メルヴィル様は」
「六将星の一人でやな」
「戦については専門と言っていいですが」
「それで何でないに越したことはない、やな」
「そう言われるのですか」
「当たり前やろ、戦はめっちゃ大変なことや」
メルヴィルは市長に顔を顰めさせて答えた。
「兵を集めて動かすまでに時間がかかってな」
「それはそうですね」
市長もそれはと頷く。
「それもかなり」
「そして戦になれば大勢人が傷付いてな」
「命も落としますね」
「復活出来てもな」
この世界ではというのだ。
「そこで寿命やと終わりやしな」
「そこで人生は終わりですね」
「尚且つ戦の後始末も大変や」
メルヴィルはこのことも顔を顰めさせて話した。
「壊れたもんの修復やらでな」
「そのこともあって」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「お金もや」
「かかりますね」
「かなりな、そやからな」
「戦はないことが最善ですか」
「わしが強い軍隊を整えるのはや」
メルヴィルはそれが何故かも話した。
「それを他の街や村に見せる」
「その為ですか」
「それが第一や、戦っても絶対に負ける」
「そう思わせてですね」
「そしてや」
「降らせるのですね」
「そや」
その様にするというのだ。
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