夢幻水滸伝
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第二百七十六話 摩天楼掌握その四
中年のホブゴブリンの男だった、地味な色のスーツを端整に着た彼はメルヴィルを見るとすぐに驚きの顔で言った。
「これは」
「このハンサム顔に何かついてるか?」
「お顔には何もないです」
市長はメルヴィルのジョークに彼なりのジョークで応えた。
「ただレベルもステータスも」
「普通のモンとちゃうか」
「神霊の域に達しておられて」
そしてというのだ。
「オーラもです」
「ちゃうか」
「それだけ見てわかります」
まさにというのだ。
「貴方がどういった方か」
「星のモンやとやな」
「はい、詳しいお話をさせてもらっていいでしょうか」
市長は自分から申し出た。
「時間は作りますので」
「ええんか?市長さんも」
「今回は最重要事項なので」
メルヴィルとの話はというのだ。
「ですから」
「それでかいな」
「お茶とコーヒーどちらがいいでしょうか」
「お茶頼めるか」
「レモンティーですね」
「こっちの世界でもお茶って言うとな」
メルヴィルは市長の返事に笑って応えた。
「レモンティーやな」
「はい、アメリカでは」
「そやな、ほなな」
「私もレモンティーですし」
「一緒にそのお茶飲みながらな」
「ここでお話をしますか」
「そうしよか」
「はい、それでは」
こう話してだった。
二人は会談に入った、市長室のソファーに卓を囲んで向かい合って座ってレモンティーを飲みつつだった。
話をはじめた、そこでだった。
メルヴィルの話を聞いてだ、市長は言った。
「まずはですか」
「そや、この街をな」
メルヴィルは市長に答えた。
「統一したい」
「そうされますか」
「この街はまとまっていると言えるが」
「実はギャングやマフィアもです」
市長はメルヴィルに難しい顔になって答えた。
「いまして」
「悪さしてるな」
「様々な場所に」
街のというのだ。
「そうなっています」
「そやな、これだけ大きな街やとな」
この世界でも世界屈指の街である。
「やっぱりな」
「犯罪組織もです」
「存在してな」
「悪事を働き」
そうしてというのだ。
「独立勢力となっています」
「そやな、そのや」
「ならず者達をですか」
「一掃してな」
そうしてというのだ。
「街を平和にしてや」
「統一も果たされますか」
「そしてや」
そのうえでとだ、メルヴィルはさらに話した。
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