夢幻水滸伝
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第二百七十六話 摩天楼掌握その三
「そしてな」
「そちらで、ですね」
「市長さんに会ってな」
「協力してもらえる様にですね」
「しよか、別に団体でも企業家でもええが」
協力してくれる者はというのだ。
「それでもな」
「ここはですか」
「調べたらこの世界のニューヨークはまとまってる」
周りに広がる摩天楼を見つつ言った。
「この通り繁栄してる、それに治安もな」
「それもですね」
「悪くないしな、わしが起きた世界やとな」
「ニューヨークはですか」
「ましになったにしても」
それでもというのだ。
「まだ治安はな」
「よくないですか」
「ああ、その状況と比べたらな」
「治安はいいですか」
「そや、それで何故治安がええか」
「市政がしっかりしているからですね」
「起きた世界でもそれなりにやってると思うが」
ニューヨークの市政はというのだ。
「けどな」
「こちらの世界のニューヨークは」
「そや、結構以上にな」
「市政が整っているので」
「繁栄していてな」
それとお共にというのだ。
「治安もや」
「ええですね」
「そやからな」
「市政はいいとですね」
「判断してな、ここはな」
「まずはですね」
「市庁舎に行って」
そうしてというのだ。
「市長さんにお会いして」
「協力を得る様にしますか」
「そうしよな」
「ではこれから」
「ああ、市庁舎に行くで」
こう言ってだった。
メルヴィルはグリフォンの背に乗ってだった。
そのうえでニューヨークの市庁舎の前に降り立った、普通のグリフォンより遥かに大きな彼の背中から飛び降りてだ。
やはり一九二〇年代禁酒法の時代を思わせる建物の正門の前に出るとそこにいる銃を持ち青い軍服を着た衛兵達が言った。
「なっ、何だこのレベル」
「人のレベルか!?」
「ステータスも尋常じゃないぞ」
「まさかこの人」
「ああ、わしはジミー=メルヴィルっていうんや」
メルヴィルは自分を見て驚愕する衛兵達に落ち着いた声で話した。
「星のモン、神星のモンやが」
「そ、そうなのですか」
「この街にも神星の方がおられるとは」
「そしてここに来られるとは」
「思うところあってな、実は市長さんに会いたい」
メルヴィルはこのことも自分から話した。
「そうしたいがええか」
「は、はい」
「すぐに市長さんにお話します」
「そしてお会いしたいと返事があれば」
「すぐにお通しします」
「そうしてくれるか」
笑顔でだ、メルヴィルは応えてだった。
そのうえで暫く待ってだった。
市庁舎の中に案内された、コンクリート造りの建物の中をスーツ姿のコボルトの女の職員に案内されてだった。
市長室に案内された、その市長はというと。
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