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夢幻水滸伝

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第二百七十六話 摩天楼掌握その五

「この街から州もや」
「ニューヨーク州もですか」
「掌握するわ」
「そうされますか」
「そう考えてる」
 こう市長に話した。
 そしてここでレモンティーを一口飲んでだ、彼は市長にあらためて話した。
「またアメリカもな」
「掌握ですか」
「そや、アメリカを統一してな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「アメリカからですね」
「世界も統一してな」
「その力で、ですね」
「この世界を襲う危機を撥ね退ける」
「それがメルヴィル様のお考えですね」
「そや、どないや」
「かなり先までお考えですね、私はです」 
 自分はとだ、市長は自分の至らなさに不甲斐なさを感じそれを顔に出してそのうえでメルヴィルに話した。
「この街のことすらです」
「満足にっていうか?」
「はい、ギャングやマフィアすら」
 犯罪者である彼等すらというのだ。
「満足にことを進められていないので」
「そう言うか」
「はい、ですが流石星の方ですね」
 じっとだ、メルヴィルを見て話した。
「そこまでお考えとは」
「いや、これはな」
 メルヴィルは自分はどうかと返した。
「具体的にはな」
「お考えではないですか」
「とてもな」
「ただ、ですか」
「ほんまに漠然とな」
 そうした感じでというのだ。
「考えてるだけや」
「そうですか」
「今具体的に考えてるのはこの街だけや」 
 ニューヨークのことだけだというのだ。
「犯罪者共を一掃してや」
「治安をよくして」
「街を市庁の下に統一してな」
 そうしてというのだ。
「公権力の統治で一本化する」
「そのことをですか」
「考えてる位でな」
 それでというのだ。
「とてもな」
「そこから先はですか」
「考えてへんわ」
 市長に真面目な顔で話した。
「わしもな」
「そうですか」
「州の統一もな」
 ニューヨーク州のというのだ。
「言うたけどな」
「まだ具体的にはですか」
「どうするか考えてへん、そやからな」
「いえ、目標を立てますと」
 そうすると、とだ。市長はメルヴィルに答えて話した。
「それだけで、です」
「ちゃうか」
「将来どの職業に就くかを考えますと」
 市長はメルヴィルにこうも話した。
「それに向かって努力しますね」
「進学とか資格とか必要になってな」
「はい、そうなりますので」
「目標を立てるとか」
「それだけで全く違います、また物事には段階もあります」
 市長はメルヴィルにこうも話した。 
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