夢幻水滸伝
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第二百七十四話 崑崙その七
「国債はです」
「出さん様にしような」
「今回はしゃあないですが」
「そのことも念頭に置いてな」
「国家運営をしていきますね」
「そや」
まさにというのだ。
「ここはな」
「左様ですね」
「あと返せるだけ借りる」
施はここでこう言った。
「そうせなあかんな」
「それです、あくまで足らへん分だけです」
茅が必死という顔で言ってきた。
「借りるべきです」
「そやな」
「それが出来んとです」
「ほんま破産や」
「借金も財産のうちと言いますが」
「それでもな」
「それは返せる分だけで」
それ故にというのだ。
「多過ぎるとです」
「文字通り首が回らん様になる」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうですさかい」
「返せるだけな」
「借りましょう」
「そや、絶対にな」
「額も大事ですね」
「そこも考えていこうな」
「是非共」
茅もそれはと応えた。
「そして中国を治めて」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「その中でや」
「移動要塞もですね」
「建造してくで」
「それでは」
「ああ、ほな国債をどれだけ発行するかも話そうな」
中国の星の者達はそうした話もした、そのうえでだった。
発行した分の国債を国政そして移動要塞の建造の予算の足りない分に回した、こうして何とか国政は回った。
施はこのことにほっとしたが羅に言われた。
「油断出来んことはわかってるな」
「ああ」
施もそれはと答えた。
「国の財政なんてな」
「あればあるだけや」
それこそというのだ。
「使うもんやさかいな」
「その通りやな」
「いつも綱渡りや」
「それずっとやったわ」
施は羅に真顔で答えた。
「実はな」
「そやろ、政の予算はな」
「あればあるだけな」
「使ってな」
そうしてというのだ。
「いつもぎりぎりや」
「それやな」
「我等も必死にやってな」
「やり繰りしてるな」
「そやけどな」
それでもというのだ。
「ほんまいつもや」
「綱渡り、そしてそれがやな」
「国政ではやな」
「普通や、これまで国債を出さんかったのもな」
「ぎりぎりやったな」
「そや、けどそれだけにな」
「国債はやな」
「出さんことや」
こう言うのだった。
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