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夢幻水滸伝

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第二百七十三話 中国からその十一

「ほんまどうにもならんわ」
「そうですね」
「そやからな」
「水が多く出る浮島を選びますね」
「そうする、しかしな」
 ここで羅は真剣な顔で話した。
「水が湧き出る岩なんてもんもな」
「この世界にはありますね」
「その中で酸素と水素を合成させて」
「お水にしますね」
「こんなもんあるなんてな」
 それこそというのだ。
「物凄いことや」
「そうですね」
「浮島にもお水が降ってな」
「それで蓄えにもなりますが」
「それだけやなくてな」
「そうした石もあるからでし」
 郁も言ってきた。
「そやからでし」
「その石が多い浮島はな」
「お水には困らないでし」
「そや、そして浮島は何処もな」
 どの浮島もとだ、施も言った。
「かなり雨が降るな」
「そうでしね、そやからでし」
「お水はどんどん溜まるが」
「それでもその石があればでし」
「余計に有り難いわ」
「そうでしね」
「元からお水の多い浮島を選んで」
 そうしてというのだ。
「それでも足りんとな」
「お水が出る石を沢山入れてでし」
「そうしてや」
「お水を確保するでしね」
「そうするわ、あと出来たら」
 施は考える顔でさらに話した。
「浮島で田畑もな」
「耕すでしか」
「鄭和の艦隊みたいにやりたい」
 明代の大提督である、宦官であり大船団を率いて東南アジアからアフリカまで至る大航海を行った人物である。船の甲板に畑をもうけてそこで野菜を作らせて壊血病になることを防いだと言われている。
「食料をどんどん入れるだけやなくな」
「作ることもでしか」
「出来たらええが」
「それは流石に無理かと」
 こう言ってきたのは呉だった。
「それよりも製造の方がです」
「保存の利くもんをか」
「それが出来る様にすれば」
「缶詰なり燻製なりをか」
「はい、かなりちゃうのでは」
「そやな」
 それはとだ、施も応えた。
「そっちの方がええか」
「はい、特に缶詰はです」
「かなり保存が出来るな」
「そして冷蔵や冷凍が出来れば」
「余計にええな」
「それは術でも出来ますし」
「こっちの世界の科学技術でもあるな」
「そうですさかい」
 だからだというのだ。
「ここはです」
「そうした技術の方がええな」
「そう思いますが」
「そやな、ほなな」
「畑よりもですね」
「それでいこか、食べもののこともな」
 これもというのだ。 
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