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夢幻水滸伝

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第二百七十三話 中国からその九

「あれだけ強くて激しい一生やとな」
「そうなるな」
「史記でも恰好ええしな」
 司馬遷の史記では項羽は敵には残虐だが一人の英雄として詳しく書かれている、だが白起は帰路の描写の羅列の様いに淡々と書かれているだけだ。
「それ読むとな」
「どうしてもな」
「項羽は好きになる」
「白起と違ってな」
「まあ司馬遷秦の人大抵そう書いてるけどな」
「どうも秦が嫌いでな」
 史記を読むと感じられることの一つである、始皇帝を暴君としたはじまりでもあるし司馬遷は秦については好意的に書いてはいないのだ。
「李斯もそうやし」
「他の人もな」
「功績があっても」
 例えそうであってもだ。
「淡々と書いたりな」
「批判的やったり」
「そうして書いて」
「ほんま批判的やな」
「どうもな」 
 二人で話した、そしてだ。
 羅はご飯を食べてからだ、施にあらためて言った。
「それで枢軸にはな」
「あっちも来んし」
「備えは置いて」
 国境にというのだ。
「今はや」
「太平洋にうって出るか」
「それで無人の程よい浮島をな」
 これをというのだ。
「他の勢力がやってる様にな」
「移動要塞にするか?」
「そうするか?それを拠点にしてな」
「他の勢力と戦うか」
「そうするか」 
 羅は施に問うた。
「ここは」
「ああ、そうするか」
 施はそれならと応えた。
「かなり金使うが」
「人手もな」
「それでもな」
「造る価値はあるな」
「ああ、移動要塞が出来たら」 
 空を飛ぶそれがというのだ。
「戦略的にかなり大きい」
「他の勢力を攻めるにもな」
「そして守るにもな」
 この場合もというのだ。
「ええからな」
「攻防一体のものや」
「そうなるからな」
「それを造るか」
「ああ、他の星のモンとも話して」
「そうしてな」
「でかいもん築くか」
 そうした移動要塞をというのだ。
「そうしよな」
「何百万の兵が入られて」
「物資もな」
 それだけの兵が戦える様なというのだ。
「収容出来るだけやなくて」
「尚且つ生産も出来る」
「それだけのもん築くか」
「ああ、是非な」
 二人で食事をしつつ話した、そしてだった。 
 翌日星の者達を揃えて軍議を開いてだった。
 そのうえで二人でこの話を切り出すとだった。
 誰もが最初は驚いたがそれでもだった。
 まずは魯がだ、神妙な顔で言った。
「そやな、他の勢力も持ってるか築いてる最中やっていうしな」
「それは何故か」
「それはや」
 まさにとだ、魯は施に応えて話した。 
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