夢幻水滸伝
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第二百七十三話 中国からその八
「それでや」
「他の星のモンもおるな」
「しかも領土はかなり広いし人口も多い」
「それで国力も高いな」
「技術や文明レベルは地下世界より低くてな」
「産業革命直後位やな」
「その分国力は低いが」
それでもというのだ。
「人口も資源もある」
「そやからな」
「あそこと今戦うとな」
「負けるかも知れんな」
「勝っても戦にかなりの時間がかかって国力もや」
「相当に消耗する」
「その後でとんでもない途方もなく広くて技術的に遅れた領土を治めることになる」
羅は勝った後のことも話した。
「そうなると統治に時間がかかってな」
「勢力は大きくなってもな」
「時間がめっちゃかかってや」
「他の勢力に後れを取るな」
「アメリカや南洋にな」
「中南米とアフリカも統一されるみたいやな」
「そのことを考えると」
勝った後のことに加え他勢力のこともだ。
「枢軸とはや」
「今は戦うべきやないな」
「まずは太平洋の方がええやろ」
羅は鯉の身の一部を自分の皿に入れた、そしてそれを食べつつ施に話した。
「枢軸自体今は広大な領土を少ない人材で治めるのに必死でや」
「動かんな」
「それやとな」
「あっちには備えだけ置いて」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「太平洋の統一をな」
「目指すな」
「そうしていくべきやと思うが」
「そやな」
チンジャオロースを食べてからだ、施は答えた。
「その方がずっとええな」
「しかも太平洋の星の連中は今はこっちの世界では敵同士やが」
「起きた世界では馬の合う連中ばかりや」
「そやから仲間にしていってな」
戦で降してというのだ。
「仲良くやっていけるしな」
「すぐにやな」
「枢軸の連中はこっちの世界では公の場では怖過ぎる」
羅はこのことは真顔で述べた。
「エカテリーナちゃんもタゴールもな」
「シェリルちゃんもな」
「他の星のモンもな、私の場では穏和で人懐っこいのに」
そうした者ばかりだがというのだ。
「公の場ではな」
「雷帝さんみたいやな」
「微塵も容赦せんでや」
「統治やってるな」
「四十万の賊や巨人を生き埋めにしてもや」
「白起みたいにな」
施は戦国時代中国で言う東周時代の秦の将軍の名前を出した、多くの戦に勝ちかつどんな行為も躊躇せず行う者だった。
「そうしたな」
「白起なんてな」
「能力は高くてもな」
「好きにはなれんやろ」
「正直自分嫌いや」
白起はとだ、施はきっぱりと答えた。
「あいつはな」
「我もや、同じ様なことしても項羽は嫌いやないが」
「二十万の秦軍生き埋めにしたな」
「そやけどな」
「項羽は不思議と嫌いやないな」
「多くの人がな」
「自分はむしろ好きや」
施は項羽についてはこう述べた。
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