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夢幻水滸伝

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第二百七十二話 海南省のことその七

「私利私欲もお考えではないですね」
「衣食住があれば」
 それが充分ならとだ、茅は答えた。
「別に」
「それでいいですね」
「お金は好きですが」 
 自分のこのことも話した。
「そやけどです」
「搾取をして富を貪ることはされないですね」
「それなりにあれば」 
 財産がというのだ。
「それで、です」
「宜しいですね」
「おら様は」
「それで勢力全体を治めておられるので」
「善政ですか」
「はい、そう評判になってます」
「それはええですね、ただどうもまだ」
 茅は大僧正に難しい顔でこうも言った。
「おら様の政はです」
「至らないですか」
「そう考えています」
 こう言うのだった。
「まだまだ」
「今でかなりのものですが」
「それでもです」
「まだまだですか」
「この海口も周りの街や村も」
 勢力圏全体がというのだ。
「万全やないです」
「そうお考えですか」
「治安も豊かさも。学校もです」
 教育の話もした。
「まだまだです」
「足りないですか」
「はい、義務教育を徹底したいですが」
 そう考えているがというのだ。
「まだまだです」
「足りず」
「至らないとです」
 その様にというのだ。
「おら様は考えています」
「ではそう思われるならです」 
 それならとだ、大僧正は茅に答えた。
「よりよくする」
「今よりもですね」
「その様にお考えになってです」
「政をしていくべきですね」
「若しこれで充分、最高と思えば」 
 その時はというのだ。
「そこまでですね」
「そうですね、ほんまに」 
 茅もその通りだと答えた。
「そうなってしまえば」
「ですから」
「おら様がそう思うなら」
「はい」
 まさにというのだ。
「今よりもです」
「ええ政をする様にする」
「そうされて下さい」
 是非にというのだ。
「これからは」
「そうですか、では」
「その様にですね」
「これからも政を進めます」
「宜しくお願いします」
「そうして今の勢力を治めていき」
 茅は大僧正にさらに話した。
「そしてです」
「そのうえで、ですね」
「勢力の拡大もです」
 これもというのだ。
「進めていきます」
「そうされますね」
「徐々にですが」
 それでもというのだ。 
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