夢幻水滸伝
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第二百七十二話 海南省のことその四
「星の方にはこれからこの世界を救ってもらうのですから」
「だからですか」
「住むお部屋に食事位は」
「構わないですか」
「左様です」
こう言うのだった。
「お気になさらずに」
「そうですか」
「では私は」
案内をした兵もここで言ってきた。
「門に戻ります」
「そうしますか」
「また何かあればお話して下さい」
こうも言うのだった。
「やがて私も貴方の下で働くことになりますので」
「おら様の」
「はい、その時まで門にいます」
「それでは」
「今はこれで」
兵は去ってだった。
茅は大僧正から海口に海南省そしてこの世界全体のことを聞いた、そしてこれからどうするのかをあらためて決めたのだった。
「ほな海口はまとまってますし」
「市長さんの下で」
「これから市長さんとお話をしまして」
海口を治めている彼と、というのだ。
「そうしてです」
「海口を掌握されますか」
「そうします」
こう大僧正に答えた。
「まずは」
「実はこの街は今割拠しています」
大僧正は困った顔になって答えた。
「この寺は平和ですが」
「他はちゃいますか」
「西側が市長の政に反発していまして」
「何故反発しているのですか?」
「西側は漁港、東側は貿易港でして」
「漁業と貿易ですか」
「市長は貿易港のある東側出身で」
それでというのだ。
「元々そちらの利益を守るということで」
「市長になったのですか」
「それでそちらには熱心ですが」
「漁港側は反発していますか」
「貿易優遇だと」
そうみなしてというのだ。
「そうしています」
「そういえば海口のお話をされる時に漁港と貿易港のお話をしてくれましたね」
茅はこのことも話した。
「おら様に」
「このことはお話していませんが」
「そうでしたね、ですが」
「はい、そうした問題がです」
「今この海口にはあるのですね」
「左様です」
大僧正は正直に述べた。
「それでまとまっていません」
「それではおら様は」
「この問題を解決出来ますか」
茅に頭を下げんばかりにして言ってきた。
「どうか、そうして頂けますと」
「この海口はまとまりますね」
「そうなります」
「そして他の問題もありますね」
茅は今度は自分から言った。
「この街には」
「はい、何でも問題はあるもので」
「海口も然りで」
「その問題以外にもです」
「ありますね、では全部お話してくれますか」
「はい」
大僧正も応えてだった。
彼は海口の大小の問題を話していった、話を聞く茅は冷静に全て聞きメモさえ取った。そうしてだった。
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