夢幻水滸伝
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第二百七十一話 痛み分けとなりその十二
「東の方を預かってるな」
「難波やな」
「日本から来たあいつは強い」
「温候みたいな恰好してるな」
三国志で有名な呂布のことだ、裏切りを繰り返した人物として有名であるがそれ以上にその武勇で有名である。
「そして神具もな」
「温候のものでな」
「方天戟に赤兎馬と」
「温候の強さは有名や」
羅はこうも言った。
「もう言うまでもない位のな」
「そして難波もな」
「この世界やとその温候みたいに強くてな」
それでというのだ。
「あいつが動くとな」
「めっちゃ厄介やな」
「あいつのとこには百万の兵もおる」
「それで動かれるとな」
「こっちも備えてへんとやられる」
「そやからや」
難波の存在があるからだというのだ。
「国防も忘れんでな」
「特に国境警備はな」
「しっかりしてこな」
二人でこのことも話した、そうしてだった。
後日ウイグルの国境を視察してだ、羅は施に話した。
「もうちょっとな」
「守り固めた方がええな」
施も国境を見て話した。
「兵を増やしてな」
「大砲もな」
「空船の数は充分やが」
それでもというのだ。
「その二つをな」
「増やすか」
「そうすべきやな」
「それとや」
羅はさらに言った。
「鉄条網をな」
「敷くか」
「長城はないが」
それでもというのだ。
「しかしな」
「守りは必要でな」
「鉄条網を敷いて」
「それで敵が用意に入られん様にする」
「そうしよな、門もな」
鉄条網と鉄条網の間にというのだ。
「設けてな」
「枢軸のモンが入れん様にする」
「そうしよな」
「ただモンゴルの方はな」
施はこの国の話もした。
「幸いナツァグドルジも友好的でや」
「ええ条約結べたな」
「よかったわ」
心からだ、施はこう言った。
「あっちとは仲良くやれてな」
「あっちは国境を越えてもや」
モンゴルの者達はというのだ。
「交易や放牧ならな」
「ええとしたな」
「こっちもな」
「遊牧民はそもそも餓えんと略奪せんし」
モンゴルはこの世界でも遊牧民の国だ、主な産業もそちらにあり広大な高原で馬に乗り羊を飼って生きている。
「そこはナツァグドルジがや」
「しっかりまとめて治めてるしな」
「あいつと仲良く出来たらな」
それでというのだ。
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