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夢幻水滸伝

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第二百七十一話 痛み分けとなりその七

「ここは」
「中国の真ん中か」
「はい、敵が来にくいですし」
「国境からな」
 羅は真剣な顔で応えた。
「そやな」
「はい、しかも交通の便がええ場所です」
「陸路も水路もやな」
「また空路でもそうである様な」
「そうした場所か」
「しかも栄えていれば尚ええということで」
 呉はこちらの話をした。
「そうした街やと」
「それならでし」
 郁が言ってきた、今は彼の普段の口調になっている。
「ええ街があるでし」
「それ何処や」
「どの街や」
 羅と施は郁に同時に問うた、見ればこれまで以上に真剣な顔になっている。
「一体」
「言うてくれ」
「開封でし」 
 郁は二人にこの街の名前を出して答えた。
「あの街でし」
「ああ、開封か」
 羅はその街の名前を聞いてそれはという顔になって頷いた、そのうえで真剣な顔をそのままにさせてさらに言った。
「あそこはな」
「確かに中国の真ん中にあるわ」
 施も言った。
「それで交通の便は最高や」
「大運河の接点にあってな」
「それで黄河流域にあるだけでなくや」
「長江流域ともじかにつながってる」
「それで商業が盛んでや」 
 今度は産業の話もした。
「周りは黄土地帯でな」
「農業も栄えてる」
「平地やけど周りが拓けてるから守りも固めやすい」
「実際起きた世界やと三重の城壁を備えてたわ」
 さらに八万の兵を置いてかなりの守りを固めていたのだ。
「いざって時水運で物資もすぐに運べる」
「あそこは確かにええな」
「ああ、この世界での都にするなら」
「あそこが一番やろな」
「そやな」
 神星二人で話した、そしてだった。 
 羅は施に強い声で話した。
「我は都は開封にすべきかと思う」
「自分もや」
 施も同じ考えだった。
「何て言ってもな」
「あそこが一番やな」
「起きた世界でも北宋とかの都やったしな」
「丁度ええな」
「ああ、都は開封にしよな」
「そうしよな」
 二人の話は決まった、そしてだった。
 他の星の者達はそれぞれ考えてからやはり開封にすべきとなった。そのうえで彼等はこの世界での中国の統一を確認してだった。
 そのうえでまずはそれぞれ兵を退かせた、戦は終わり将兵達は死んだ者は復活させられ負傷した者は手当てを受けてだった。
 それぞれの赴任地に戻った、そうしてだった。
 星の者達は開封に集まった、羅はそこで施に話した。
「ほなこれからな」
「ここの街を整えてくな」
「ああ、守りを固めて」
「街も拡大させてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえで港もや」
「整えていこうな」
「官庁も置いて」
 中国全体を治められるだけのというのだ。 
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