夢幻水滸伝
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第二百七十一話 痛み分けとなりその六
「わかりやすかったが」
「引き分けやからな」
「そやからな」
戦の結果はというのだ。
「ここはや」
「どないするかやな」
「そや。北京も上海もあかんやろ」
「どっちもな」
「ほな何処を都にする」
このことを言うのだった。
「一体」
「そのことですね、確かに問題ですね」
巴は魯の言葉を受けて考える顔で述べた。
「そこから中国全体を治めるので」
「この世界のな」
「さて、何処がええか」
巴は腕を組み考える顔になって述べた。
「ほんまに」
「中国の伝統的な都は関中にありましたね」
王が言ってきた。
「秦から唐までは」
「ああ、咸陽に長安、洛陽ってな」
施は王のその言葉に応えた。
「そやったな」
「はい、ですがこの世界の中国は」
「あの辺りはな」
「中国全体を治めるには」
「交通の便も及ばんし産業もな」
こちらもというのだ。
「あまりな」
「商業も工業もですね」
莫はどうかという顔で述べた。
「黄河や長江の河口地域と比べますと」
「そや、農業もな」
施は莫にそちらの産業の話もした。
「浙江省辺りと比べるとな」
「弱いですね」
「確かに起きた世界の我が国やと長い間都があった」
秦から唐にかけてというのだ。
「けどこっちの世界やとな」
「やはり産業の中心の一つであっても」
「一番栄えてる訳やないからな」
「都としてはですね」
「そや、まあ守りはな」
施はそちらの話もした。
「そんなに悪くないけどな」
「守りとなると」
花華はその話を聞いて真剣な顔で述べた。
「枢軸が東北三省を抜ければ長城のすぐ傍まで来る北京それに日本と海を挟んでそこにある上海等はやはり」
「守りに問題があるな、どっちも神星が三人もおる」
羅は枢軸と日本の話をした。
「日本はまだ統一されてへんが」
「統一されると人口は少ないですが神星の方が三人にです」
花華は羅に応えて述べた。
「それにです」
「あそこが星のモン一番多いわ」
「五十人程ですね」
「それだけおるからな」
「攻められると怖いですね」
「ああ、かなりな」
羅もその通りだと答えた。
「技術があるし兵も強い」
「そう考えますと」
「上海は貿易とか色々な産業で重要やが」
このことは事実だがというのだ。
「やっぱりな」
「都としてはですね」
「避けるべきやな、あの辺りの街も」
「そうですね」
「中国の真ん中にあって交通の便もええ街を都にしたらどうでしょうか」
こう言ったのは呉だった。
後書き
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