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夢幻水滸伝

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第二百七十一話 痛み分けとなりその四

 早速北軍の本陣に向かった、だが。
 丁度両軍の陣の中間で曹と出会った、それでお互いに話をした。
「曹君も」
「白の兄さんもかいな」
「今からそっちに行ってな」
「こっちもや」
「明日は戦を止めてやな」
「会談をしようかってな」
「そう相手に話すつもりやったな」 
 まさにとだ、白は言った。
「そういうことか」
「そやな、ほなお互いにな」
「話をしよな」
「そうしよな」
 こう話して一旦別れの言葉を告げ合ってそれぞれ相手の棟梁達に話した、それが終わって帰る時にだった。
 二人はまた会った、すると曹は白に笑って話した。
「同じ釜の飯食べていきたいな」
「そやな」
 白は曹の言葉に微笑んで応えた。
「そうしたいな」
「その為の仕事をしたし」
「後は施さんと羅さん次第や」
「お二人にお話してもらおうな」
 こうお互いに話してだった。
 二人は自分達の軍勢に戻った、羅は戻って来た曹の話を聞いて笑顔になった。
「そうか、受けるか」
「そう言ってくれました」
 曹は羅に施の返事を答えた。
「あした朝食の後で」
「お互いにやな」
「話そうと。貝殻の連絡もして」
「それでやな」
「今から詳しいことを話そうかと」
「よし、ほな早速や」
 羅は曹の言葉を受けてだった。
 貝殻を出して施との話をはじめた、施はすぐに出て来て言ってきた。
「朝飯食ったらな」
「それからやな」
「お互いの陣地の中間地点でや」
「そこでやな」
「星のモン同士席に着いて顔を見合わせてな
 そのうえでというのだ。
「話そうか」
「そうしような」
 こう言うのだった。
「これから」
「ほなな」
「ああ、その用意はじめようか」
「これからな」
 二人で話してだった。
 その中間点にお互いの星の者達が横一列に相対する細長いテーブルと椅子を用意してそのうえでだった。
 羅と施は向かい合った、まずは羅が口を開いた。
「引き分けになった、これが現実や」
「その通りや」
 施もそれはと答えた。
「もうな」
「紛れもない事実や」
「そやな、それでや」
「これからどうするかや」
「それが大事やが」
「引き分けになったならや」
 施は茶を一口飲んでから話した。
「もうな」
「それをどう判断するかや」
「勝った方が棟梁になる」
「そうなることを決めたけどな」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「引き分けになるとな」
「そうもいかん、こうなったらな」 
 羅は考える顔で言った。 
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