夢幻水滸伝
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第二百七十一話 痛み分けとなりその三
「頑張ってくれてるさかいな」
「それに報いんとな」
「あかんわ」
「その通りですね」
緑麗も応えた。
「皆敢闘してくれてます」
「そやからな」
「戦の後はですね」
「休暇とボーナスや」
その両方を出すというのだ。
「こうしたもんは気前よくや」
「出すべきですね」
「そうや、そして今日決着がつかんかったら」
「戦は終わりですね」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「羅とや」
「お話しますね」
「これからのことをな」
「そうされますね」
「そうする、しかし出来るだけな」
「今日のうちにですね」
「決着をつける」
その様に行うというのだ。
「ええな」
「まずは守りに徹し」
「そしてや」
「隙を見せればですね」
「攻勢に転じるで」
「わかりました」
緑麗も頷く、そうしてだった。
南軍も疲労を感じる中で戦っていった、陣は崩れず北軍の攻勢を寄せ付けなかった。それは昼になっても続き。
夜の闇が近付く時まで続いてだ、遂にだった。
北軍は攻勢を止めてだ、退きだした。施はそれを見て遠い目になって述べた。
「四日戦ったが」
「はい、戦は終わりました」
王が応えた。
「決着がつかないまま」
「お互い一歩も退かんでな」
「そのうえで、ですね」
「戦は終わったわ」
「左様ですね」
「今から使者を羅達のところに送ってや」
施は追撃を許さないまでに確かな退き羅が指揮してそうさせている北軍の動きを見ながらさらに話した。これは四日続けてだった。
「そしてや」
「明日は戦はせんで」
「そしてな」
「会談ですね」
「それを行ってな」
そうしてというのだ。
「今度どうするかをな」
「決めますね」
「引き分けになったらなったでや」
それでというのだ。
「やることがあるわ」
「勝敗が決した場合とは別に」
「そや、それでや」
その為にというのだ。
「今からや」
「使者を送りますね」
「そうするわ、誰がええか」
「拙者が行きましょうか」
白が言ってきた。
「それでは」
「行ってくれるか」
「はい、では今から」
「頼むな。羅も他の北の星の連中も無体はせんけどな」
「ここは確かにですね」
「話してくれるな」
「そうさせて頂きます」
白は応えてだった。
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