夢幻水滸伝
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第二百六十七話 徐州に向けてその六
「そやからな」
「破産してもですね」
「借金をしてな」
そのうえでというのだ。
「まだやるやろ」
「そうしますね」
「家も家具も全部売り払ってな」
「借金までして」
「しかもその借金をする先がや」
その相手も問題だというのだ。
「高利貸しでな」
「それがヤクザ屋さんやったりしますからね」
「賭場をやって高利貸しまでやる」
その両方をというのだ。
「それで金を吸い上げてな」
「骨までしゃぶり尽しますね」
陳も言ってきた。
「まさに」
「そや、もっと言えば骨の髄までや」
骨のその中のものまでというのだ。
「排骨飯みたいにな」
「食べてしまう」
「そんなことになるからな」
「絶対にですね」
「防がなあかん、ヤクザ屋さんはどうしてもおるが」
世の中にだ、あらゆることに光と陰がある。さすれば裏世界アウトローと呼ばれる世界も存在するのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「出来る限り力を弱めんとな」
「民が苦しみます」
「そうなるさかいな」
だからこそというのだ。
「政としてや」
「ギャンブルは勢力で行い」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「破産しそうな奴にさせん様にもする」
「勢力の収益にもして」
「そうしてくで」
「競馬や闘鶏それに賭場もですね」
「全部やってな、ほなな」
「そうしたことはですね」
「これからもやってくで」
そちらの政もというのだ。
「ええな」
「ほなそうしていきましょう」
「そういうことでな、それでな」
羅はここで話題を戻した、そうして言うのだった。
「これからのことやが」
「戦のことですね」
「鉄道網を整備しておいてよかったな」
こう言うのだった。
「普通の道もな」
「はい、しかも徐州近辺まで鉄道が通っています」
陳も鉄道について話した。
「そうですさかい」
「各地の鉄道網を使ってな」
「徐州まで人もものも運びますね」
「そうするで、それで空船もな」
「輸送に使いますね」
「そして黄河もや」
中国の北部を流れるこの大河もというのだ。
「使うで」
「船で一気に運びますね」
「そうする、東北のもんもな」
この三省の人やものもというのだ。
「運ぶが海からもや」
「運びますね」
「そうしてく、あらゆる路を使ってな」
「徐州に二百四十万の大軍とですね」
「武器や兵器や弾薬それにや」
「食料もですね」
「全部運ぶ、まさにや」
羅は強い声で話した。
「勢力の総力を結集させてな」
「ものを集めますね」
「そうするで」
こう言うのだった。
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