| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十七話 徐州に向けてその七

「これより」
「決戦は既にはじまっていますね」
 呉は冷静な声で述べた。
「戦場で戦ってはいませんが」
「この準備もや」
「戦ですさかい」
「それでや」
 呉の言う通りにとだ、羅は述べた。
「もうな」
「はじまっていてですね」
「それでや」
「勢力の力を結集させて」
「兵と必要なものをな」
 その全てをというのだ。
「集めてくで」
「わかりました」
 呉は頷いて応えた、そうして中国の北の星の者達は羅を中心として決戦の準備を本格的にはじめた。 
 北京からも人やものがどんどん送られていく、それを見てだった。
 巴は大運河から黄河に船で運ばれる多くの銃や剣を見て羅に言った。
「この世界にも大運河があってよかったです」
「ほんまやな、お陰でや」
 羅はそうしたものを積んで出港する船を見て話した。
「こうしてや」
「物資の輸送も楽です」
「大運河から黄河に出てな」
「そこからですね」
「さらにや」
「徐州までも運河や支流があるので」
「ものを運べる」
 それが出来るというのだ。
「人もな」
「左様ですね」
「そやからな」
「大運河があってよかったですね」
「これがないとな」
「もっと大変ですね」
「あいつ等も使ってるけどな」
 施達のこともだ、羅は話した。
「けどや」
「こちらも使ってますので」
「有り難いわ、しかしな」
 ここで羅はこんなことを言った。
「この大運河は決戦の後も使うが」
「統一してからもですね」 
 曹が応えた。
「そうなりますね」
「そやからな」
「大事にすべきですね」
「それでこれは戦の後施とも話したいが」
 ここで羅は腕を組み深く考える顔で言った。
「都の場所も考えるか」
「この北京は上海ではないのですか?」
「それな、どっちでも悪くないけどな」
 それでもとだ、羅は曹に答えた。
「大運河を考えるとな」
「その便からですか」
「それを得られる街に都を置こうか」
「そうお考えですか」
「例えば北京やとな」
 今自分達が拠点にしていて丁度いるこの街のことを話した、紫禁城もあり彼等の中心としての役割を充分に果たしている。
「北に位置し過ぎやろ」
「中国全体を治めるなら」
「そんな風にも思えるしな、それで上海やとな」
 今度は施達が今勢力の拠点としている街のことを話した、貿易港でもありその繁栄はかなりのものである。
「南にな」
「位置し過ぎですか」
「どっちかに偏ってるんやなくて」
 中国全体から見てというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧