夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百六十七話 徐州に向けてその五
「そうした立場になれるんや」
「一兵卒が功績を挙げれば」
「そうなる、しかしな」
「やはり規律に縛られます」
「軍におる限りな」
「それが嫌なので」
「冒険者のままでおるな、もうそうしたモンはな」
羅は考える顔で述べた。
「しゃあないわ」
「そのままでいくべきやな」
魯も言ってきた。
「ほんまにな」
「そやな」
「それならそれで使っていくべきや」
「これからもな、そやからな」
「軍が手薄な時はな」
「ギルドに依頼をよおさん出すで」
「そうしてこな」
羅のその言葉に頷いた。
「戦が終わって中国を統一するまではな」
「連中の稼ぎ時にしよな」
「そうしよな」
「まあ連中の多くは安定した生活を望むタイプやないからな」
羅は笑って話した、そうしたところも自由気ままであるのだ。
「お金が入ったらな」
「それをお酒やギャンブルに使うな」
「ギャンブルも公営にしているけどな」
「裏社会の利益を取り上げてな」
こうしたものはそうした者達の稼ぎになっているがだ。
「連中の力を弱めて」
「そして破産しそうな奴にはさせん」
「そうして破産するモンが出るのも防いでいます」
残が言ってきた。
「おらっちもそうした奴はよお見てきましたが」
「放ってはおけんな」
「ええ、ギャンブルで破産する奴は出来るだけなくしてく」
「どうしてもおるけどな」
ロシアの文豪ドフトエフスキーもそうだった、兎角ギャンブル狂いで金があると後先考えずに没頭したという。
「出来る限りな」
「少なくしていきますね」
「リサールの奴もするけどな」
フィリピンの星の者である彼もというのだ。
「けどな」
「それでもですね」
「あいつは遊びでな」
「はまりませんね」
「この世界での職業はギャンブラーやが」
まさにギャンブルを生業とする職業である。
「しかしな」
「それでもですね」
「あっさりとした遊びをするだけでな」
それでというのだ。
「ああしたのこそや」
「ええですね」
「そう思う、けどそうした奴ばかりやないからな」
ギャンブルに溺れ破滅する輩が実に多いからだというのだ。
「そやからな」
「そうした政策も行っていますね」
「そうしてる、借金まで作ってはさせん」
ギャンブルはというのだ。
「そこはちゃんとしてく」
「ほんまそういう手合いは何処でもいますね」
屈もどうかという顔で述べた。
「起きた世界でもで」
「こっちの世界でもな」
「左様ですね」
「しかも破産してもな」
それでもというのだ。
「まだやるもんやからな」
「それがギャンブルですね」
「もうあれは中毒や」
所謂ギャンブル依存症である、この世界にもこの問題は存在している。世界は違えど人の本質は同じということか。
ページ上へ戻る