夢幻水滸伝
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第二百六十七話 徐州に向けてその三
「そしてや」
「そのうえで倒す」
「そうする、その時はしゃあないわ」
巨人が出た時はというのだ。
「多分施の方もそうする」
「そうですか」
「そや、巨人はな」
このことは後で貝殻で聞くとその通りだった、他の政策もそうであった。
「そうしてな」
「倒しますか」
「そや、しかしな」
「他のことはですね」
「軍で足りん分はな」
「冒険者で、ですね」
「補ってくで」
そうするというのだ。
「ええな」
「わかりました」
曹もそれならと頷いて応えた。
「ほなそういうことで」
「頼むな」
「災害の時もでしょうか」
莫は羅に問うた。
「やはり」
「冒険者を用いるかやな」
「そうされるのですか」
「そや」
その通りという返事だった。
「今も災害派遣と救助に軍を使ってるな」
「そうしていますね」
「軍の仕事は戦だけやない」
「災害のこともですね」
「これも国防や」
災害対策もというのだ。
「災害はどうしても起こる」
「この世界でも同じですね」
「地震、雷、火事、台風、洪水とな」
「津波もありますね」
「そうした災害からはな」
羅は難しい顔で述べた。
「避けられんからな」
「どうしても起こってしまいますね」
「正直戦よりも厄介や」
羅はこうも言った。
「被害もな」
「その災害にですね」
「戦の間はな」
「兵が少ないので」
「冒険者にもな」
「多く依頼を出しますか」
「そうするわ」
こう言うのだった。
「ここはな」
「そうですか」
「軍や警察の仕事で足りへん部分を補うのが冒険者や」
羅は為政者の立場から考えて述べた。
「そやからな」
「戦の間はこれまで以上にですね」
「働いてもらう、それで報酬はな」
こちらの話もした、冒険者に依頼を出す時は報酬を出すものだ。そうでないと冒険者も引き受ける筈がない。
「これまで通りな」
「弾みますね」
「さもないと受けんわ」
冒険者の方もというのだ。
「安いとな」
「それではですね」
「そやからな」
「これまで通りですね」
「弾むわ」
多くの報酬を出すというのだ。
「そうするわ」
「それがええというか」
郁も言ってきた。
「そやないとですね」
「そや、ちゃんとや」
「働いてくれへんので」
「そうするわ、しかし冒険者から軍に入るモンも多いが」
羅はここでこのことも話した、衣食住に社会的立場を保証することを約束して多くの者を冒険者から採用しているのだ。
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