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夢幻水滸伝

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第二百六十五話 成都会議でその十二

「私等ダックはな」
「飛ぶことは出来へんですね」
「ダックは鴨でな」
「鴨から家鴨になりますが」
「進化の過程で水にはより強うなったが」
 それでもというのだ。
「飛ぶことについてはな」
「翼が退化して」
「それでや」
 その為にというのだ。
「翼人や天使とは違って」
「飛ぶことは出来なくなりましたね」
「精々グライダーみたいに滑空したりな」
 その様にしたりというのだ。
「跳ぶ位や」
「それ位ですね」
「そや」
 こう緑麗に話した。
「もうそれはな」
「しゃあないですね」
「そうした種族ってことでな」
 その身体的特徴を話した。
「飛ぶことは出来んさかい」
「術で、ですね」
「飛ぶわ」
「左様ですね」
「それで話を戻すけどアトランティスやムーにはな」
 この二つの浮島のことを再び話した。
「私もこれからのことやとな」
「今すぐやない」
「そう考えてるわ」
「そや、それまでにやることが多いわ」
 張はまた話した。
「それはやがてや」
「先のことですね」
「そや」
 まさにとだ、張は緑麗に堪えた。
「そうなるわ」
「そうですか、ほな今は」
「今やらんとあかんことをな」
「やっていきますね」
「そうするで、中国の南もな」
 自分達がいる地域もというのだ。
「三つの勢力に固まってきたしな」
「施さんと郭さんとですね」
「わっち等でな」
「この三つで覇権を争うことになるので」
「そやからな」
 その為にというのだ。
「こうした状況やとな」
「覇を争うしかないですね」
「そや、そうしてくで」
「わかりました」
 こう言ってそうしてだった。
 緑麗も書類仕事をしていった、三人は暫くの間は内政と軍備を整えることに専念していたがやがてだった。
 郭達を降して仲間にした施が仲間そして大群と共に迫ってきた、それでだった。
 張は仲間達に強い声で話した。
「湖南省はもうな」
「獲られるな」
「そうなるわ」
 花華に話した。
「そうなるけれどな」
「それでもやな」
「そや」
 こう話した。
「領内に入ったらな」
「戦うか」
「最後までな」
「そうするな」
「意地を見せてな、わっち等は戦闘用の職業は緑麗ちゃんしかおらん」
 その彼女を見て話した。
「それに対してな」
「あちらはやな」
「そや、施さんにしてもや」 
 敵の棟梁である彼もというのだ。
「戦える職業やしな」
「しかも神星でな」
「仲間も多い」
 星の者達もというのだ。
「兵もあっちが多いしな」
「そうしたことを考えると」
「劣勢は否めん、しかしな」
「それでもやな」
「星のモンとしてな」
 それでというのだ。
「これからはな」
「戦ってくな」
「そうするわ」
 花華に確かな顔で話した。
「意地を見せてな」
「この世界の星の人達の戦いらしくやな」
「降るか戦うかでな」
 その二者択一でというのだ。
「それで戦うんやったらな」
「最後までやな」
「完全にケリがつくまで」
 まさにそれまでというのだ。
「やるもんやからな」
「ほなな」
「その時は戦うで」
 強い声で言った、そして実際にだった。
 三人は施達と戦った、そうしたのだった。


第二百六十五話   完


                   2022・7・8 
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