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夢幻水滸伝

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第二百六十五話 成都会議でその九

「それ以上はな」
「交易を出来たらで」
「何もせんで、ただ最近中国では施さんと羅さんがな」
 張はここで中国のこの二人の名前を出した。
「めっちゃ勢力拡大させていってるな」
「どちらの方も日の出の勢いですね」
 緑麗は飲みつつ真剣な顔で答えた。
「ほんまに」
「そやな、その人等が攻めてくるんやったらな」
「戦いますか」
「そのつもりや、流石に戦わずして降るのは」
 それはとだ、張は緑麗に話した。
「どうもな」
「意地がありますね」
「民に迷惑をかける人等やないし」
「戦ってですね」
「雌雄を決したい、これがモンゴル帝国みたいにや」
 例えとして起きている世界に存在したこの国の話をした、言わずと知れた騎馬民族の大帝国である。
「民も敵とみなしてな」
「容赦しない方々だったなら」
「こっちの世界やとタゴールさんやエカテリーナさんやな」
「まさにそうですね」
「それやとな」
 まさにというのだ。
「こっちも最初からや」
「降りますか」
「勝てん相手やとな」
 その様にするというのだ。
「ほんまにな」
「そうですか」
「しかしな」
 それでもというのだ。
「あの人達はな」
「そうした人等やないので」
「戦を交えてでもな」
「意地を見せますか」
「別に中国の覇権までは考えてないが」
 張にそこまでの考えはない、それでこう言ったのだった。
「しかしな」
「それでもですね」
「自分の領土に入ってくるんやったら」
 それならというのだ。
「民の被害も考えてな」
「相手が民をも攻撃するんやないと」
「戦う、そうするで」
「それでは」
「ほなその時はな」
 花華がまた言ってきた。
「戦おうな」
「そうしよな」
「そして今はやな」
「政にや」
 それにというのだ。
「力を入れてな」
「そうしてですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「豊かになるで」
「ここは内陸部やからな」
 中国のとだ、花華は難しい顔で述べた。
「しかも四川省以外は長江の本流から外れてるし」
「発展しにくいな」
「沿岸部とか黄河それに長江流域と比べてな」
「そやな、しかしやり方はある」
 張は確かな声で述べた。
「路を整えて資源を使って」
「そしてやな」
「工業も育ててな、あと運河も造っていって」
「農業もやな」
「やってくで、山地の開拓と開墾もして」
 その様にしてというのだ。
「お米にお茶果物を作るで」
「そうして食べられる様にもするな」
「今以上にな、家畜も育ててな」
「やってくな」
「林業にも力を入れてな、切った後はな」
 そこからのことも話すのだった。 
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