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夢幻水滸伝

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第二百六十四話 侠の世界からその十四

「争うことはないわ」
「そうですか」
「平和にな」
「お話が為されますか」
「張さんはそうした人やからな」
「穏やかな方だからですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「特にな」
「物騒なものではないですね」
「そうなるやろ、むしろな」 
 ここで笑ってこうも言った。
「私の方がや」
「物騒だと言われますか」
「そや、バーサーカーでな」
 戦場では理性より暴走で戦うとされている職業だ、だがこれはレベルが上がると次第に潜在能力を出して感情をコントロールして戦える様になる。
「しかも猫人やからな」
「猫人は好戦的ですか」
「そう思ってるで」
 自分ではというのだ。
「ライオンや虎の親戚やからな」
「確かに同じネコ科ですね」
 市長はそれはと答えた。
「豹やジャガーもですが」
「そやからな」
「物騒ですか」
「実際猫って可愛いけどな」
 その外見や性格はというのだ。
「結構狂暴やろ」
「やたら噛んだり引っ掻く生きものですね」
「その猫から進化した猫人もや」
「そうなのですか」
「あくまで私の思うことやけどな」
 それでもというのだ。
「そうしたな」
「物騒な種族で」
「エクソシストで山羊人のあの人と比べたら」 
 それこそというのだ。
「かなりな」
「そうですか」
「けどその私もや」
「白様は決して物騒ではないです」
「いつもそうやない、むしろ平和にいけたらな」
 それならというのだ。
「もうな」
「それで、ですね」
「ええわ」
 そうした考えだというのだ。
「一番好きなのは寝ることやしな」
「趣味でもあられますね」
「もう夜ベッドに入ったら」 
 そうすればというのだ。
「その瞬間にや」
「眠りに入られて」
「ぐっすりでな」
「その時がですね」
「一番幸せやからな」
 だからだというのだ。
「戦とか喧嘩になったらな」
「そうした風にはですね」
「いかんからな」
「戦になれば特にですね」
「枕を高くしてな」 
 即ちこれといった心配もなくというのだ、人は複雑な生きものであり心配や悩みが全くない者もいないがだ。
「寝られんからな」
「だからですね」
「出来るだけ避ける様にしてきたし」
「これからもですね」
「そうしたいからな」
「この度はですね」
「暴れる様なことはな」 
 市長に卓の上にあった茶を飲みながら話した。
「せんで」
「仕掛けられない限り」
「そや、それでな」
「この申し出をですね」
「受けるわ。あとこれも私の予想やけど」
 自分の前に向かい合って座っている市長にこうも話した、市長室の執務用の机の前にある接客用の卓を挟んでソファーにそれぞれ座って話しているのだ。 
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