夢幻水滸伝
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第二百六十四話 侠の世界からその十一
「しかしな」
「気球はありますね」
「そちらは」
「そしてそれも持って来ています」
「だからですね」
「ここはな」
この戦ではというのだ。
「空から全体を見る、敵は空を飛べる種族はおるが」
「はい、気球はない様ですね」
「どうやら」
「我々はそれなりに持っていますが」
「彼等はそうですね」
「敵の持ってへんもんを使う」
緑麗は笑って話した。
「それれが勝つ秘訣の一つやろ」
「はい、確かに」
「それだけで大きいです」
「そしてこの度はですね」
「進軍や補給に二つの川を使い」
「そうしてですね」
「空からも偵察を行うけどな」
それと共にというのだ。
「そこに気球もや」
「用いてですね」
「そうしてですね」
「戦っていきますね」
「そうするで」
こう言って実際にだった。
緑麗は川を用いて進軍と補給を行ってだ。
空から術や翼で飛べる者達それに気球も用いてだった。
賊達を見て采配を執った、するとホントワン山脈の雲南省の部分に勢力を張っていた賊達は地の利を活かすことなくだった。
攻められていき。
雲南省の誰もが驚くまでに呆気なく平定された、緑麗は征伐した賊達のうち重罪人達は容赦なく処刑し。
罪の軽い者達は牢に入れてだった。
「労働に就けるかな」
「兵に入れて」
「そうして用いる」
「そうされますか」
「そうしてくで、重罪人は処罰したが」
それでもというのだ。
「そうでない連中はな」
「はい、働いてもらう」
「刑に服する間は」
「そうしてもらいますね」
「そうするわ、そしてな」
昆明に戻って官吏達に話した。
「それだけやなくてな」
「そこで技能も見に着けさせるのですね」
「仕事のそれを」
「それで刑を終えてもそれで生きていける」
「そうしますね」
「そうするで、食べていけたらな」
そうであるならというのだ。
「それでや」
「はい、人は悪事を犯しません」
「生きていけるなら」
「大抵の者がそうです」
「生粋の悪人でもないと」
「生粋の悪人はそうはおらんからな」
それこそと言うのだった。
「流石に」
「左様ですね」
「そうした輩はです」
「流石に多くはありません」
「殆どいません」
「そやからな」
だからだというのだ。
「罪人達はな」
「技能を備えさせる」
「そうして刑を終えても生きていける」
「そうしますね」
「それも治めることや」
その一環だというのだ。
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