| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十四話 侠の世界からその五

「こっちの世界でもな」
「そうですか」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「そんな畏まることはないで」
「ですが礼なので」
「星のモンに対するか」
「この様に接させて頂きます」
「そやねんな」
「はい、それで本題に入りますが」 
 緑麗が起きた世界で言うと清朝の身分のある官吏の服を着ている市長はあらためて彼女に対して話した。
「これからこの昆明を治めて頂きますか」
「もう市長さんがおるやん」
「いえ、この街だけでなく」
 昆明に限らずというのだ。
「周りの街や村に」
「そうしたとこもか」
「そして雲南省全体からです」
「さらにかいな」
「中国を統一されてひいては」
「世界もやな」
「お救いになって下さい」
 緑麗に頭を下げて願い出た。
「どうか」
「わかったわ、それが星のモンの務めやし」
 緑麗は市長の願いにまずは二つ返事で応えた。
「そうさせてもらうわ、ただ私はこの省だけやな」
「雲南省だけですか」
「私一人やとこの省を統一してな」
 そうしてというのだ。
「そのうえで治めてな」
「その様にされて」
「そこまでやな」
「お一人ではですか」
「星のモンは神星の方が十八人でな」
 最も力の強いこの者達がいてというのだ。
「天地人それぞれ七十二人ずつ」
「総勢二百三十四人ですね」
「そや、それだけおるさかいな」
 だからだというのだ。
「全員力を合わせて世界を救うもんやしな」
「それ故に」
「私一人ではな」
「雲南省だけですか」
「そや、ただ統一と統治まではな」
 そこまではとだ、緑麗はあらためて話した。
「やらせてもらうで」
「そうですか」
「そこから先はあらためて考える」
「では」
「ああ、やらせてもらうで」
 快諾してだった。
 緑麗は勢力を旗揚げした、その統治範囲はまずは昆明だけであり市長はそのまま街の行政を担ったが。
 緑麗は街の建設業の顔役と人足斡旋はそれぞれ自分は見込んだものを後任に選んでそのうえでだった。
 市長を首相とするなら自分は国家元首の様な立場になり政に入ったが。
 街全体の状況を見て彼女は市長に話した。
「林業をよおしてくか」
「そちらをですか」
「もっと伐採するのを増やしてな」
 そうしてというのだ。
「その後の植林もな」
「していきますか」
「切った分だけな」
「これまでは植林まではですが」
「そうしたらやがては禿山だらけになるさかい」
 そうなるからだとだ、緑麗は話した。
「そやからな」
「植林もですか」
「しよな、起きた世界では私農業科でな」
 そちらに通っていてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧