夢幻水滸伝
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第二百六十四話 侠の世界からその三
「市長さんが」
「この昆明の」
「そう考えてるそうですよ」
「それで白様はどうされますか」
「ご自身はどうお考えですか」
「そう言われたら」
どうかとだ、白は答えた。
「私としても」
「そうですか」
「それではですね」
「お会いになられますね」
「そうされますね」
「そうしよか、ほなな」
緑麗は早速言った。
「私市長さんのお家に行くわ」
「えっ、白様からですか」
「直々に出向かれますか」
「そうされますか」
「いや、会いたいって言うならな」
ピータンを食べながら言う、他には唐揚げや野菜と一緒に炒めたものやスープもある。また桃もある。
「それやったらな」
「ご自身からですか」
「会いに行かれますか」
「そうされますか」
「星の方が」
「いや、星のモンといっても」
それでもとだ、緑麗は答えた。
「人やろ」
「それはそうですが」
「お力は神霊の域に達していても」
「そう言われるとです」
「その通りです」
「そやからな」
だからだというのだ。
「会いに来いって偉そうなことは性分やないし」
「だからですか」
「会いに行かれますか」
「そうされますか」
「そうするわ、時間がある時にな」
こう言って次の日早速だった。
緑麗は昼に時間が出来たので自転車に乗って市長が勤務している昆明の市庁舎に赴いた、するとだった。
緑麗が市長に会いたいと言ったのを受けた魚人の守衛が仰天した、見ればソウギョの頭をしている。
「えっ、貴女が来られたのですが」
「そやけど」
「星の方ご自身が直々に」
「あかんか?」
「あかんかって」
守衛は仰天したまま言った。
「そう言われても」
「困るか」
「困っていないですが驚いています」
守衛はこう緑麗に答えた。
「市長はご自身がです」
「私に会いに来るつもりやったか」
「その日程を組んでいるところでした」
「そやっから」
「白様のご都合を聞いて」
「ああ、そう言われたら私市長さんの都合考えてなかったわ」
緑麗はこのことに気付いてしまったという顔になった。
「人は相手の都合も考えんとな」
「いや、それはそうですが」
「それで市長さんお暇やろか」
「ええと、今からお食事です」
「私は食べたけどな、ほな食べてからな」
「それからですか」
「時間があったらな」
市長にというのだ。
「会ってくれるやろか」
「市長にお話します」
こう言ってだった。
守衛は電話を出してそれで市長に連絡をした、そのうえで緑麗に答えた。
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