| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十四話 侠の世界からその一

                第二百六十四話  侠の世界から
 白緑麗はこの世界の昆明に出てだった。
 そうしてだ、声を聞いてこの世界のこととこの世界で自分が何をすべきかを知った、そうしてだった。
 目の前の喧嘩を即座に止めた、二人のサイクロプスと狼人であったが。
 二人のところに来るとそれだけで二人はびびって喧嘩を止めた。
「な、何だあんた」
「ものすげえオーラだな」
「一体何者なんだよ」
「只者じゃねえのはわかるが」
「私はな」
 神具である涯角槍を右肩に担いだ姿勢で話した、男達はその話を聞いて平伏せんばかりになって緑麗に言った。
「おみそれしました」
「星の方でしたか」
「まさかここに出られるとは」
「思いも寄りませんでした」
「まあ私は喧嘩を止めてくれてよかったわ」
 緑麗はそれをよしとして笑って述べた。
「それでな、しかしや」
「しかし?」
「しかしといいますと」
「この世界に来たのはええが」
 それでもというのだ。
「まず何をすべきか」
「それがですか」
「わかりませんか」
「お金も家も仕事もない」
 生活を送る為のものがというのだ。
「一切な」
「ああ、そうなんですか」
「星の方でもですか」
「お金ないですか」
「お家も仕事も」
「一切な、ほんまの文無し宿無しや」
 今の自分はとだ、緑麗は話した。
「そして仕事もなしのな」
「本当に何もない」
「そうした状態ですか」
「これで何をするか」
 男達に考える顔で話した。
「全くわからんわ」
「ああ、それでしたら」
「うちの親分に会ってくれませんか?」 
 男達はその緑麗に話した。
「じつはあっし等建設業でして」
「一応会社になってます」
「実は元はヤクザだったんですがね」
「そうした仕事なんですが」
「親分色々仕事知ってますし」
「そのツテを頼ってはどうですか?」
「それやったらな」
 それならとだ、緑麗も乗ってだった。
 二人に案内されて彼等の会社、木造の二階建ての大きな建物の中に入った。そうして中年の太ったコボルトの男と会った。この男が社長だった。
 社長は緑麗に会うとだ、驚いた顔になって言った。
「あの、只者じゃねえですね」
「この方星の方なんですよ」
「これが」 
 案内役の二人の男が社長に話した。
「あっし等がちょっと街で喧嘩してたらです」
「そこに来られたんですよ」
「ただ今お金もお家も仕事もないらしくて」
「具体的に何をしていいのかわからないそうなんです」
「そうか、それならな」
 その話を聞いてだ、社長は言った。
「ちょっとこの人に頼みたいことがある」
「それは何ですか?」
「一体」
「わし等の仕事は今まとめ役がいねえだろ」
 社長は二人に話した。
「そうだろ」
「ええ、それで何かと揉めてますね」
「会社同士で」
「もう仕事を取るにしても」
「何かとです」
「だからな」
 それでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧