| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十三話 山中の賢者その五

「使者を送ったり攻めたりはです」
「しませんか」
「そうしていかれますか」
「杜様は」
「そうしていきます、私の考えですと」
 書類仕事をしつつ話した。
「もうそろそろ自分達からです」
「自分達から?」
「といいますと」
「こちらに入りたいという街や村がです」
 官吏達に話した。
「出て来ます」
「そうなのですか」
「使者を送らず戦をせずとも」
「それでもですか」
「はい、そうなります」
 花華は落ち着いていた、そのうえで貴陽の政にさらに専念し街を豊かにしていった。
 だが官吏達は昆明が豊かになることはいいとしながらも彼女が勢力を拡大させないことに大丈夫かとも思った、だが。
 花華の言った通りにだった。
「あの、またです」
「また人が来ました」
「杜様の下に入りたいと」
「申し出た街から人が来ました」
「昨日は二つの村がでしたが」
「今日は街です」
「そうなってますね、私の下に入りたいなら」
 花華は笑って話した、年長者には敬語で話している。
「喜んで、です」
「迎え入れる」
「そうされますね」
「そう言ってきたなら」
「そうします、そしてです」 
 自分の勢力に加えたうえでというのだ。
「この貴陽と同じ様にです」
「治めていく」
「そうされますね」
「他の街や村も」
「そうして豊かにします」
 治安もよくするのは言うまでもない。
「同じく」
「そうされますね、しかしです」
「まさかここでそうした街や村が多く出て来るとは」
「杜様の言われた通りに」
「そうなるとは」
「人の話すことに戸口は立てられず」
 花華はまさかという顔になって言う官吏達に笑って話した。
「そしてあっという間に広まりますね」
「いい話も悪い話も」
「そうなります
「まさに千里を走ります」
「もっと言えばさらにです」
「これ程広まるものはないです」
 人の話程というのだ。
「そうですさかい」
「まずはこの昆明ですか」
「貴陽への善政に専念された」
「そうされたのですか」
「しかも昆明は貴州省の中心にあり」
 文字通りそうであってというのだ。
「路も省全体に及んでいますね」
「はい、それが長所です」
「この貴陽の」
「そうなっています」
「そうですさかい」
 だからだというのだ。
「ここはです」
「貴陽の話が広がる」
「それに任せられたのですか」
「路を伝い」
「そうして」
「そうです、路を通るのは人やものだけやないです」
 それに加えてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧