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夢幻水滸伝

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第二百六十二話 退魔師の努力その三

「成都の他のエクソシスト達が困るやろ」
「張様だけがお仕事をされて」
「他のモンは商売あがったりや」
「そうなるさかいですか」
「そやからな」  
 だからだというのだ。
「今考えてるんはエクソシストの会社立ち上げて」
「そうしてですか」
「わっちが経営者になってな」
「成都のエクソシスト達を雇いますか」
「エクソシストだけやなくてネクロマンサーとか召喚士とか退魔を得意な職業のモンも集めていってな」
 社員として採用してというのだ。
「働いてもらう」
「そうお考えですか」
「そこに治療とかも出来る職業も集めて」
「僧侶や医師等ですね」
「それで退魔とか治療も出来てあと製薬とかもや」
「回復系の総合企業ですか」
「それを立ち上げようかとな」 
 その様にというのだ。
「考えたけどな」
「そうですか、お一人で仕事をされるだけでなく」
「どないやろ」
「お金は」
「最初は借りる」
 そうして調達するというのだ。
「まずはな」
「銀行等からですね」
「そうしてな」
「調達して」
「やっていこうと思う」
「そうですか、ではいい銀行も紹介します」
 親方は張の言葉を受けて申し出た。
「わしがお世話になってる銀行ですが」
「そこから借りたらええな」
「はい、ただ四川省の地方銀行で」
 そうした銀行でというのだ。
「活動範囲は成都とその周りで」
「そこそこの大きさの銀行やな」
「ですから借りられる額はです」
「あまり多くないな」
「まずは借りられるだけ借りられて」
「そのお金の規模でやってくか」
「それがいいかと」
 張に対して話した。
「今は」
「会社は徐々に大きくしていくもんやな」
「まずは零細でもいいですね」
「そやな、徐々に大きくしてこか」
 張は親方の言葉を受けて決断した、そうしてだった。
 起業した、最初は賃貸の二階であり社員は彼一人であったが。
 彼は既に評判になっていてだった。社員を募集するとだった。
 三人来てその三人の能力と適性を瞬時に見抜いたうえで採用し早速仕事をさせた、その三人も業績を上げてだった。
 金は忽ちのうちに貯まりそれにつれて銀行から借りている金を返し事業を拡大させていった。そうして退魔だけでなくだった。
 他の色々な事業も展開させ瞬く間に成都で知らぬ者のない一大グループとなった。彼は自らもエクソシストの仕事をしつつ。
 社長としての仕事もしてだった。
 朝から晩まで働いた、周りはその彼を見て言った。
「凄いな」
「毎日朝から晩まで働いておられるな」
「勤勉で真面目な方だな」
「ただ優秀なだけじゃない」
「努力家でもあるか」
「自分から働いてるとな」
「我々も頑張らないとな」
 社員達も決意した、そしてだった。
 彼等も仕事に励むが張はそれを見て親方に話した。 
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