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夢幻水滸伝

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第二百六十話 雲南省掌握その十五

「子供に漢字を無理にあててドイツの名前付けてた」
「そやったですね」
「それを見るとな」
「あの人はですね」
「やっぱりええ人とはな」
「言えへんですね」
「何でも夏目漱石さんも被害妄想が強くヒス持ちでな」
 彼は彼でそうした一面があった。
「今で言うDV夫で父親やった」
「暴力が酷かったとか」
「そんな人やったが森鴎外さんよりはな」
「ましでしたね」
「そやったわ」
「森鴎外さんはそうした人でしたか」
「どうもな、ただ生ものに注意せなあかんことはな」
 このことはというのだ。
「細菌に傷みに虫を考えるとな」
「ええですね」
「今でもな、というか蛙や鯉は美味くてもな」 
 そのことは事実だがというのだ。
「ほんまにな」
「用心して食べんとあかん」
 郭は言い切った。
「絶対にな」
「そや、さもないと後が怖い」
「傷んだのにあたる位ならええが」
「虫やとな」
 寄生虫にあたると、というのだ。
「怖いことになるわ」
「そうなるさかいな」
「水滸伝で宋江さんが刺身にあたってるが」
 そうした場面もある、江南に流された時のことだ。ここでも騒動が起こり多くの仲間が加わっている。
「まだましやってみたいやな」
「ただ傷んだのであたっただけでな」
「それが三国志の陳登さんやとな」
 呂布を滅ぼす為に劉備を助けた人物で後に曹操に降っている。
「虫やったからな」
「命を落としてるな」
 華陀の話に出て来る、口から虫を吐いて診察を受けて三年の命と言われて実際に三年後死んでいる。
「それを見るとな」
「虫が怖いな」
「そやから信頼出来る店かな」
「ちゃんと冷凍せんとな」
「食べるもんちゃうわ」
「川のもんは生ではな」
「孫権さんみたいにしたらあかん」 
 三国志の呉の皇帝になった人物だ、無類の酒好きでありその肴は長江で獲れた淡水魚が多かったという。
「あの人は大丈夫やったみたいやが」
「長生きしてるな」
「しかしあの時代結構刺身食うてな」
「膾やな」
「孫権さんもそやったみたいやが」
「今見ると危ないな」
「そやからな」  
 その為にというのだ。
「真似したらあかん」
「兎角生ものには要注意や」
「お野菜や果物もよお洗ってや」
 そのうえでというのだ。
「食べるべきやしな」
「食べものには用心やな」
「何かとな」
「そやから今もですね」
 蒲は葱を食べながら応えた。
「こうして火鍋に入れて」
「じっくり煮てな」
「辛く味付けもして」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「食べてるんや」
「そうですね」
「そや、しかしほんま辛いな」
 施はあらためてその辛さを実感した、その名前の通り火を吐く様な辛さであり舌が焼けそうな位であった。 
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