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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝

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第26話 正室と側室 後編

「司馬懿さん、正宗様の気持ちは分かりました。でも、それとあなたが側室になることと、どう繋がりますの?」

「それは、正宗様が描かれる、将来の戦略にあります。私はそれをより効率的にするために進言しただけです。」

「あなたが正宗様の側室になることがですの!」

麗羽は揚羽の言葉に怒りました。

結局、私がその後の話を継ぐことになりました。

私が話すのが筋です。

私としては揚羽を嫁にしなくても良いと思うのですが・・・。

揚羽が側室にすることを仕官の条件にしている以上、受け入れるしかないのでしょう。

しかし、揚羽は何故私なんかの側室になりたいのでしょう。

揚羽は見た目はブスではないです。

ブスというより美人です。

引きこもり生活が長い為か肌は白磁のように白いです。

髪は司馬防譲りの黒髪の長髪、瞳の色は黒色のスレンダー美人です。

彼女が十二単を来たらかぐや姫に見えると思います。

私じゃなくて、もっと釣り合いそうなイケメンを探した方が良いと思います。

私は揚羽が私の側室になりたい理由が理解できないと悩みながら、麗羽に説明をしました。

説明の内容は揚羽に話したものと同じです。

麗羽は私の計画を聞きながら、不機嫌になったり、笑顔になったり、目まぐるしく表情を変えていました。

「一応分かりましたわ。私と正宗様の子供に大陸統一をさせることには依存ありませんわ。でも!」

麗羽は機嫌良さそうに話していましたが、急に語気を強めました。

「私と正宗様が北と南の別行動で戦をしていくことは不満です!不満大有りですわ!司馬懿さんがなんで正宗様と一緒ですの。だいたい、司馬懿さん、あなた何ですの!仕官の条件に正宗様の側室の座を要求するなんて、人の足下を見過ぎじゃありませんの!正宗様の弱みにつけ込むなんて卑怯者ですわ!」

麗羽はやはり別行動で戦端を開くことと、揚羽が仕官の条件に側室の座を要求したことが気に入らない様でした。

私の戦略はやはり不味いかもしれないです。

揚羽が側室の座を要求した時点で、この戦略は破綻しています。

揚羽が側室を要求しなければ、麗羽もしぶしぶながら要求を飲んでくれたと思います。

でも、揚羽の存在がそれを阻んでいます。

どうしたものでしょう。

揚羽を排除する訳にもいきません。

それに私の戦略にも問題点があるのは事実です。

それは戦力の分散です。

私と麗羽それぞれで諸候として覇を唱え、北と南で戦端を開くので、連携を取るには、中原を早い段階で制覇する必要があります。

そうしないと二人とも共倒れする可能性があります。

華琳は絶対にその点を理解し、どんな手段をとっても連携を阻止してくると思います。

麗羽と離れていることを理由に、離間の計を施してくる可能性が高いです。

揚羽が私の軍師をすることになれば尚更です。

・・・・・・。

戦略の練り直しが必要ですね。

やはり軍師ではない私では、この程度の戦略が関の山です。

自分では、良い線いっていると思いましたけど・・・。

揚羽がいるのだから、ここは揚羽に戦略の練り直しをお願いします。

「揚羽、麗羽が望まない以上、この戦略は破綻している。このままこの戦略を実行に移すと、敵につけ込まれる隙を作ってしまう。だから、揚羽は戦略の練り直しをしてくれないか?」

私は揚羽に言いました。

「確かにそうですね。これでは、自滅する可能性があります。わかりました私の方で戦略の練り直しをさせていただきます。ですが、正宗様。仕官の条件である側室の座の件は取り下げません」

揚羽は私の方を向いて、笑顔で応えました。

「なああんですって!正宗様は戦略を練り直すと仰っているのよ!司馬懿さんが正宗様の側室である必要がなんでありますの!」

麗羽が揚羽に詰め寄って怒っています。

「正宗様の戦略上、私が正宗様の側室になった方が利があると申しました。ですが、それだけで、私が側室の座を要求した訳ではありません。私が正宗様の妻に成りたかったからです」

揚羽は麗羽の怒りなど、どこ吹く風で淡々と話しました。

「正宗様も司馬懿さんに何か言ってくださいまし!」

麗羽は揚羽の態度に腹が立ったのか、私に向き直り加勢するように言ってきました。

「正宗様はお忘れではないですよね。私が仕官するなら、どんなことでもすると仰ったこと」

揚羽は笑顔で私に釘を刺してきました。

「あなたは黙っていなさい。正宗様は私の大切な方ですのよ。そんなに結婚相手が欲しいのなら、街に出て男にでも声を掛ければ良いではありませんの!」

「誤解しないでください。私は痴女じゃありません。私も袁紹殿と同じく、正宗様でなくては納得できません。正室の座はお譲りしますので、ご安心してください」

麗羽と揚羽の言い合いが段々ヒートアップしてきました。

私は、このままだと不味いと思いました。

「二人とも落ち着いてくれ!」

私は言い合っている2人に大きな声で言いました。

麗羽と揚羽は言い合いを止めて私に向き直りました。

北郷一刀はあんな大勢の女性を侍らして、よく問題起きなかったものだな。

私は2人でも既に精神的に辛いです。

「揚羽に聞きたいんだが、何で私なんだい。良い男なら私以外にもっといると思うよ。私は皇族っていっても、裕福な方じゃない。姉上も郎中から出世しているんだ」

私は揚羽が私の側室になりたい理由を率直に聞いてみました。

「私は正宗様だから好きなのです。とはいっても・・・・。正直なところ、私は正宗様が好きなのか分からないです。恥ずかしながら、私は人を好きなったことがないのです。ただ、正宗様と一緒に居たいと思っただけです。袁紹殿は不愉快でしょうが、お許しいただきたいのです。」

揚羽は気恥ずかしそうに、私を顔を見ながら話してきました。

麗羽は不機嫌そうな表情だったが、揚羽の態度を見て、諦めたような表情になりました。

「・・・はあ、分かりましたわ・・・。ここは正室としての寛大さが必要ですのよね・・・。司馬懿さん、私の真名は麗羽です。あなたに真名を預けますわ。これからは二人で正宗様を支えますことよ」

麗羽はしぶしぶ揚羽を向いて言いました。

「麗羽殿、分ってくださり感謝いたします。私の真名は揚羽です。麗羽殿に真名をお預けいたします。」

「正宗様!これ以上側室を増やしたら、許しませんことよ!その時は、正宗様を刺して、私も一緒に死にますわ!」

麗羽は鬼の形相で私に向き直ると私を射殺さんばかりに睨みつけてきました。

私はただただ頷くことしかできませんでした。
 
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