夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百五十七話 懐化からその十一
施は穴に軍勢を入れて穴が掘り終えられるのを待った、そして穴が掘り終えられたその時にであった。
軍勢を進ませた、兵を率いるのは白であり。
白は城に入ると将兵達に命じた。
「街の民達には絶対にです」
「手出しをしない」
「そうすべきですね」
「左様ですね」
「そうです、速やかに城壁に向かい」
そうしてというのだ。
「城門を開け軍事施設にです」
「向かいですね」
「戦いますね」
「そうしますね」
「そうします、行きますよ」
こう命じてだった。
白は民には手を出させず城壁と城内の軍事施設に向かって占領と開門に向かった。特に城門に向かってだった。
門を開けさせた、施は城門が開いたのを見て笑みを浮かべた。
「よし、今からや」
「城内に突入しますね」
「そや、敵は砲撃と術の攻撃にだけ備えてたが」
事実そうであった、花華も穴を掘られるとは思っていなかった。
「そこでや」
「意表を衝いて」
「こうした、当たったな」
この策がというのだ。
「後はや」
「このままですね」
「兵達を城に潜入させて」
施は王に話した。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「占領してくで」
「それでは」
「さて、花華ちゃんはどうするか」
施は彼女の出方も考えて言った。
「一体」
「思わぬ一手で軍は混乱していますね」
「そやな、しかしな」
「それでもですか」
「あの娘もそれで終わりやないやろ」
「思いきりやられましたが」
「それでな、そやからな」
施はさらに話した。
「戦はまだ終わりやないで」
「このまま続きますね」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「続くさかいな」
「それで、ですね」
「これで勝ったと思わんで攻めてくで」
「そうしますね」
「そや、僕は上に上がる」
空、そこにというのだ。
「それでそこからや」
「采配を執られますか」
「空から街全体を見てな」
そこの戦局をというのだ。
「そうしてくで」
「それでは」
王は施の言葉に頷いてだった。
兵達を率いてそのうえで城に入った、施達は民には一切手を出さずその家や店も素通りするだけであった。
蒲は兵達を率い街の大通りを進み官邸に向かいつつ自身が率いる兵達に告げた、民達は皆戦に巻き込まれない様にそれぞれの家や店に入り難を逃れようとしている。
ページ上へ戻る