夢幻水滸伝
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第二百五十七話 懐化からその十
「攻めるで、それでな」
「まだありますね」
「仕掛けが」
「左様ですね」
「そや、空から偵察に来る」
敵もというのだ。
「相手もアホやない、というかな」
「既に花華様がおられます」
「星の方がおられるなら」
「それならですね」
「空からの偵察を行う位の手は使ってくる」
それだけの知力があるというのだ。
「そやからな」
「ここはですね」
「それにも備える」
「左様ですね」
「そやからテントの中で掘るで」
それで隠してというのだ。
「ええな、交代して二十四時間掘ってな」
「そのうえで、ですね」
「穴を掘っていき」
「城の下に到着し」
「そこからさらに掘ってな」
そうしてというのだ。
「城の中に出る様にするで」
「わかりました」
「ではそうしましょう」
「これより」
「古典的な方法やが相手の意表を衝こうと思ったらな」
それならというのだ。
「時にはそうしたやり方も手や」
「兵は詭道なりですね」
「相手の思わぬことをする」
「そういうことですね」
「そや、それで攻めるで」
こう言ってだった。
施は早速穴を掘らせはじめた、それも幾つも。そのうえで百五十万の兵で鎮遠を囲みはじめたがその頃にはだった。
穴は城の中まであと一歩になっていた、それで仲間達に話した。
「城の中にな」
「穴からやな」
「一気に入ってな」
郭に対して話した。
「そうしてな」
「そのうえでやな」
「攻撃するで」
「如何に堅固な城でも中に入るとな」
「簡単に攻め落とせるな」
「その通りやな」
「そやからな」
その為にというのだ。
「ここはな」
「そうして攻めてやな」
「一気に攻め落とすで、意表を衝いた攻撃を成功させてな」
そうしてというのだ。
「戦全体の勢いも掴むで」
「まずは勢いですね」
紅美は確かな顔で言った。
「戦は」
「そや、勢いを掴んだらな」
そうすればとだ、施は紅美にも話した。
「それだけで全くちゃうからな」
「そやからですね」
「まずはな」
何といってもというのだ。
「ここは敵は正攻法やなくてな」
「古典的な穴、間道からですね」
「攻めて敵の意表を衝くと共に」
「一気に攻略して」
「そうしてな」
その様にしてというのだ。
「戦の勢いをな」
「こちらのものにしますね」
「そや、ほなな」
「これよりですね」
「攻めるで」
笑顔で言ってだった。
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