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夢幻水滸伝

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第二百五十七話 懐化からその九

「史記も資治通鑑もな」
「共に知力と政治力を大幅に上げて」
「軍略も授けてくれるのですね」
「そうした神具ですね」
 そうしたことには使えるがというのだ。
「けどな」
「それでもですか」
「あの方には戦で勝てないですか」
「そう言われますか」
「その軍略も六将星の人には負けるわ」
 そうなるというのだ。
「元の能力が段違いやさかい」
「そうですか、では」
「ここでは勝てないですか」
「この鎮遠では」
「そうなのですね」
「そやで、そやからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「戦いはしますが」
「きりのいいところで下がる」
「そうするのですね」
「敵を適度に疲れさせてな」 
 そうしてというのだ。
「減らしてな」
「そのうえで下がる」
「それがここですることですか」
「防ぐのではなく」
「疲れさせるのですね」
「そうするで、張君と緑麗さんも軍を率いて向かってるさかい」
 仲間である二人もというのだ。
「ここは無理せんでな」
「下がりますか」
「適度なところで」
「そうしますけ」
「そうするで」
 こう話してだった。
 花華は施達が率いる大軍を十万の兵と共に守りを固めたうえで迎え撃たんとしていた、その鎮遠にだった。
 施達は至った、すると施は早速命じた。
「街を囲んで砲撃と術の攻撃に入るで」
「そうしてですね」
「要塞を攻め落としますね」
「その様にしますね」
「と見せかけてな」 
 施は周りの将兵達に笑って応えた。
「ここは地下からいくで」
「穴を掘ってですか」
「そこから城に潜入しますか」
「その様にしますか」
「土は固いが」
 その為に穴を掘りにくいがというのだ。
「しかし陣を敷いても山が多くてデコボコがあるな」
「穴を掘っているのを見つかりにくい」
「そのデコボコを利用すれば」 
 それによって出来る城から見て物陰になる場所から穴を掘りというのだ、施は将兵達に対して話した。
「そうすればええやろ」
「はい、そうですね」
「敵は正攻法で来ると見ています」
「それは明らかです」
「しかしここはですか」
「穴を掘ってですか」
「仕掛けるで、まだ先陣が到着した位やが」
 百五十万の軍勢のうちのだ。
「全軍が囲む前にな」
「穴を掘り」
「砲撃や術で攻めんと見せかけて」
「そうしてですね」
「城の中まで穴をつなげてな」 
 その様にしてというのだ。 
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