| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百五十六話 湖南省からその十四

「国家に戻らん」
「技術や産業への投資やないです」
「そやからな」
「国に戻りません」
「あの国は予算の半分近くを出費だけに使ってる」 
 軍事費と世襲の国家元首の贅沢にだ。
「そうなってるさかいな」
「あの様になっていますね」
「国がどんどん酷くなってな」
「人民は餓えていますね」
「そや、あんな風で世界が救えるか」
「言うまでもないです」
 蒲も即答だった。
「ほんまに」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ああなったらな」
「あきませんね」
「反面教師や」
 そう言うべきだというのだ。
「政を見るとな」
「ほんまにそうですね」
「軍に金は使わなあかんし戦もある」
 施はあらためて話した。
「そやけどな」
「そちらに使う予算は少なくしたいですね」
「国全体の政を考えるとな」
 美蓮にもこう答えた。
「ほんまにな」
「軍事費は少ない方がええですね」
「そのことがわかったわ、ただ軍は強くせんとな」
「あきませんね」
「そやからさっき言うたが」
 施はあらためて話した。
「富国強兵や」
「国を豊かにしてですね」
「国力を得てや」
「そうしてそこからですね」
「強い兵即ち軍を備えるんや」
「そうしますね」
「そう考えてる」
 美蓮に真剣な顔で話した。
「ずっとな」
「それが正しいですね」
「そやな、あと兵も多いとな」
「その分軍事費が多くなり」
「それで全体的な装備もな」
「落ちますね」
「それで数だけの軍になりやすい、宋軍みたいになる」
 中国のこの王朝の軍の様にというのだ。
「あの時も我が国は人口が多くてな」
「大軍を擁することは出来ました」
「そやったが」
「弱兵でしたね」
「数に頼ってな」
「あの軍も反面教師ですね」 
 美蓮は施に問うた。
「そうですね」
「そや、ただ宋軍は装備はよかったな」
「歩兵のそれは」
「騎兵は馬が足りんかったが」
 十人の騎兵がいて三人か四人は馬がなかった程だ、その為王安石が改革の中で馬を確保する政策を出した程だ。
「装備自体はな」
「よかったですね」
「そやけどほんまに数に頼って」 
 そうした軍でというのだ。
「質はな」
「悪かったですね」
「宋朝弱兵やった」
 この言葉も出した。
「ああした軍にはしたらあかん」
「この世界の軍隊は装備や技術にお金がかかりますので」
 王が言ってきた。
「どうしても兵の数は少ないですね」
「大体一億で四十万やな」
「それが限度ですね」
「起きた世界に二度の大戦みたいに十人に一人は軍に入れる様な」 
 ドイツ軍やソ連軍がそうであった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧